今回の記事、ざっくり言うと・・・

  • 厚生労働省が労働契約法の無期転換ルールに基づく無期転換申込みが2年後の平成30年度から本格的に行われることを踏まえ、今年度実施する8つの支援策を公表
  • 支援策の内容は、無期転換制度の導入支援のための「モデル就業規則」の作成(小売業・飲食業は作成済み)するなど

DSC_0344厚生労働省が、労働契約法の無期転換ルールに基づく無期転換申込みが2年後の平成30年度から本格的に行われることを踏まえ、今年度実施する8つの支援策を公表しました。

ところで、無期転換ルールとは、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときに、労働者の申込みによって企業などの使用者が無期労働契約に転換しなければならないルールのことです。

独立行政法人 労働政策研究・研修機構が平成27年12月に公表した調査では、無期転換ルールの内容を知らない企業が4割超にのぼっています。また、同調査によると、有期契約労働者を雇用する企業のうち6割超で何らかの形で無期契約に切り替えると回答があり、前回調査の回答から増加傾向にあります。

このようななか、厚生労働省は、無期転換ルールの導入に向けた厚生労働省の8つの支援を実施するとしています。

  1. 無期転換制度の導入支援のための「モデル就業規則」の作成(小売業・飲食業は作成済み)
  2. 無期転換制度や「多様な正社員制度」の導入を検討する企業へのコンサルティングを実施
  3. 無期転換ルールも含めた「労働契約等解説セミナー」を全国で208回開催
  4. 無期転換制度や「多様な正社員制度」についてのシンポジウムを開催
  5. 先進的な取組を行っている企業の事例を厚生労働省のホームページなどで紹介
  6. 無期転換制度の導入手順などを紹介するハンドブックを作成
  7. キャリアアップ助成金を拡充
  8. 都道府県労働局(雇用環境・均等部(室))に専門の相談員を配置

厚生労働省では、無期転換する有期契約労働者の受け皿として、多様な正社員(限定正社員)の普及に注力していくものと思われます。上記の通り、モデル就業規則も2業種で作成済みで、今年度は、異なる業種のモデル就業規則を作成する予定としています。

もっとも、業種の増加は労務管理上負担になることも容易に想像できますので、会社の実情に照らして導入を検討するのがよいでしょう。

参考リンク

労働契約法に基づく「無期転換ルール」への対応を促すための厚生労働省の支援策などを紹介します~平成30年度からの「無期転換ルール」の本格化まであと2年!事業主の皆さま・働く皆さまへの支援を強化~(厚生労働省HP)

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