今日の記事、ざっくり言うと・・・

  • 適用拡大前の第1号・第3号被保険者等のうち、全体の約16%が働き方が「変わった」と回答
  • 変わった者の半数以上が、「厚生年金・健康保険が適用されるよう、かつ手取り収入が増える(維持できる)よう所定労働時間を延長した」と回答
  • 社会保険に加入した理由としては、「もっと働いて収入を増やしたい」と「将来の年金額を増やしたい」がともに4割を超えた

世界の年金事務所からvol008:葛飾年金事務所

前回に引き続き、今回もJILPTの「社会保険の適用拡大に伴う働き方の変化等に関する調査」(短時間労働者調査)の結果を見ていくことにしましょう。本調査は、社会保険の適用拡大に伴う変化について、労働者に対して行った調査です。

適用拡大前の第1号・第3号被保険者等のうち、全体の約16%が働き方が「変わった」と回答していますが、変わった者の半数以上が、「厚生年金・健康保険が適用されるよう、かつ手取り収入が増える(維持できる)よう所定労働時間を延長した」と回答し、「適用されないよう所定労働時間を短縮した」を上回りました。特に、第1号被保険者にこの傾向は顕著でした。

社会保険に加入した理由としては、「もっと働いて収入を増やしたい」と「将来の年金額を増やしたい」がともに4割を超えました。

一方、「所定労働時間を短縮した(してもらった)」労働者を対象に、厚生年金・健康保険に加入しなかった理由としては、「配偶者控除を受けられなくなるから」(54.7%)が最上位に挙がり、これに「健康保険の扶養から外れるから」(50.6%)や「手取り収入が減少するから」(49.4%)等が続きました。今年の改正で、配偶者控除については、収入150万円まで同様の控除が受けられるようになりましたので、今年から収入を増やす動きも生じるかもしれません。

最後に、社会保険が求人にもたらす影響を取り上げましょう。

社会保険に加入できる条件が掲げられた求人について、「魅力的だと思う」とする労働者が計60.2%にのぼりました。ただし、「何とも言えない、わからない」も約3割ほどあり、社会保険の加入を重視していない層もある程度は存在しているようです。

参考リンク

「社会保険の適用拡大への対応状況等に関する調査」(事業所調査)及び「社会保険の適用拡大に伴う働き方の変化等に関する調査」(短時間労働者調査)結果(JILPTのHP,PDF)

MORI社会保険労務士・行政書士事務所(千葉県千葉市中央区)では、日々生じる従業員に関する問題やちょっとした労働法に関する疑問、他社事例について、気軽に電話やメールで相談できる「労務相談」業務の依頼を受託しています。もちろん社会保険に関するご相談、給与計算(年末調整)、労働・社会保険、就業規則、各種許認可業務等も対応します。

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