世界の年金事務所からVOL11:港年金事務所

令和6年10 月1日に、 特定適用事業所における、いわゆる企業規模要件について、使用される 厚生年金保険の被保険者の総数が常時 100 人を超える企業から常時 50 人を超える企業に拡大されます。これにともない、厚生労働省が新たなQ&Aを公表しました。内容はおおむね前回の適用拡大時と同様ですので、ここでは、今回新たに追加された質問をいくつか紹介したいと思います。

問16 事業所の新規適用や事業所の合併時点で6か月以上50人を超える実績はないが、当該時点以降の厚生年金保険の被保険者の総数が50人を超える場合、特定適用事業所該当届を届け出る必要があるか。
(答)新規適用時や合併時に常時50人を超える見込みがある場合は、6か月以上50人を超える実績がなくても、特定適用事業所該当届を届け出る必要があります。なお、特定適用事業所該当届の該当年月日は常時50人を超えると見込まれた事実発生日となります。

新規適用した時点で、厚生年金保険被保険者の総数が50人を超える「見込みがある」場合は、該当届が必要であることとされました。「見込み」には少しあいましさも感じますが、新規に成立した時点で被保険者数が50人超の場合は、その時点で該当届が必要とみてよいでしょう。

問40 就業規則や雇用契約書等で定められた所定労働時間が週 20 時間以上で、かつ所定内賃金が月額 8.8 万円未満である者が、業務の都合等により恒常的に実際の労働時間が増加し、賃金が月額 8.8 万円以上となった場合は、どのように取り扱うのか。
(答)連続する2月において業務の都合等により恒常的に実際の労働時間が増加し、賃金が月額8.8万円以上となった場合で、引き続き同様の状態が続いている又は続くことが見込まれる場合は、実際の賃金が月額 8.8 万円以上となった月の3月目の初日に被保険者の資格を取得します。この場合は、所定内賃金が月額 8.8 万円以上かの判定において、名目上時間外労働に対して支払われる賃金を含めて判定します。

雇用契約の内容としては加入要件を満たさないものの、実際の労働時間、賃金額等が加入要件を満たす場合の取り扱いです。すでに同様の設問があったので、元々の考え方を確認したものといえるでしょう。

問41 食事や住宅等を現物で給付している場合、それらは所定内賃金が月額 8.8万円以上の算定対象となる賃金に含まれるのか。
(答)食事及び住宅 等の現物給付も問39(答)の①から④までに該当しないものは、当該算定対象に含まれます。

問39の①から④までとは、① 臨時に支払われる賃金(結婚手当等)、②1月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)、③時間外労働に対して支払われる賃金、休日労働及び深夜労働に対して支払われる賃金(割増賃金等)、④最低賃金において算入しないことを定める賃金(精皆勤手当、通勤手当及び家族手当)です。これらに該当しない場合は、8.8万円以上の算定対象となる賃金に含まれることになります。

問46 雇用時に所定内賃金が月額 8.8 万円未満であったため被保険者資格を取得していなかったが、遡って適用される給与改定が決定されたことにより、所定内賃金が月額 8.8 万円以上に該当することとなった場合、いつから被保険者資格を取得するのか。
(例)A社で賃金を増額する給与改定が6月 15 日付けで決定され、改定された給与規定は7月1日から施行される。また、4月1日から6月 30 日までの給与に対する差額分が 7 月 20 日に支給される。
(答)所定内賃金が月額8.8万円以上に該当することとなった給与改定の施行日に被保険者資格を取得します。 上記の例の場合、当該改定により適用要件を満たすこととなった者は、7月1日に被保険者資格を取得します。

入社後に数か月経ったあとに入社時まで遡って給与改定されるのは、中小企業ではあまり見られないケースだと思われますが、ある程度確定した時点からの適用という考え方になるようです。

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参考リンク

短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の更なる適用拡大に係る事務の取扱いに関するQ&A集の送付について(令6.1.17 事務連絡)(厚生労働省HP)