世界のハローワークからVOL015:ハローワーク品川

現在厚生労働省内に設置されている労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会では、次のような育児休業給付の見直しについて議論が行われています。

  1. 出生後一定期間内に両親ともに育児休業を取得することを促進するため、育児休業給付の給付率を一定期間に限り、8割程度へと引き上げること
  2. 男女ともに、一定時間以上の短時間勤務を選択したことに伴う賃金の低下を補い、時短勤務の活用を促すための給付(「育児時短就業給付(仮称)」)を創設すること

まず1の、育児休業給付給付率の引き上げの対象となる休業については、次のような案が示されています。いずれも方向性の案として示されているものであることにご留意ください。

  • 14日以上の育児休業を取得することを要件とすること
  • 育児需要が高い子の出生直後の一定期間以内(具体的には、男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内)に取得する育児休業を対象とすること
  • 子の出生直後から育児休業を取得する場合もあることから、「産後パパ育休」だけでなく育児休業を取得した場合も対象とすること
  • 被保険者とその配偶者の両方が育児休業を取得すること
    • 配偶者が育児休業を取得することができない場合は、配偶者の育児休業取得を要件としない取扱いとすること。たとえば、配偶者がいない場合、配偶者が雇用労働者以外の働き方で就業している場合など
  • 「共働き・共育て」を推進する観点から、配偶者が産後休業を取得している場合には、配偶者の育児休業取得を要件としない取扱いとすること

また、2については、柔軟な働き方として、男女ともに、時短勤務を選択し、所定労働時間(または日数)が減少することに伴う賃金の低下を補い、育児・家事を分担できるようにする観点から、以下の方向で具体的な制度設計として、次のような案が示されています。

  • 対象となる被保険者を現行の育児休業給付と同様(開始日前2年間にみなし被保険者期間が12ヶ月以上あること)とすること
  • 柔軟な働き方を支える観点から、給付対象となる時短勤務の労働時間(または日数)について、制限を設けないこと
  • 休業よりも時短勤務を、時短勤務よりも従前の所定労働時間での勤務することを推進する観点から、就業促進的な給付設計とし、時短勤務中の各月に支払われた賃金額の一定割合を支給すること
  • 給付水準を設定するに当たっては、職場を支えている他の労働者の理解を得ながら、希望する者が気兼ねなく時短勤務を取得できるようにすること等を以下の点を考慮すること

以上のように、給付の拡大・拡充を通じて、育児休業および育児短時間勤務の普及、特に男性への普及を図るための制度改正が見込まれますので、今後の動向にも注意を払うべきでしょう。

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参考リンク

第186回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会(厚生労働省HP)