育成就労制度Q&Aが公表④
今回は、育成就労制度で最も注目されている内容の一つである「転籍」についてみてみましょう。
育成就労制度では、暴力やパワーハラスメントなどの人権侵害を受けた場合等、やむを得ない事情がある場合の転籍を認めるほか、新たに、一定の要件の下、本人の意向による転籍も認めることとされました。ただし、転籍先については、いずれの場合でも、転籍は同一の業務区分内に限られます(Q48のA)。なお、同一の業務区分内であれば、転籍の前後で主たる技能を変更することは好ましくないものの、変更することは可能です(Q52のA)
本人意向の転籍のための一定の要件としては、以下が挙げられます。
- 転籍を希望する育成就労外国人が分野ごとに分野別運用方針で定める一定水準の技能及び日本語の能力を修得していること。
- 直近の育成就労実施者の下で育成就労を行わせる必要のある「転籍制限期間」は、育成就労産業分野ごとに分野別運用方針で定める1年以上2年以下の範囲の期間(同期間が1年を超える期間の場合には、育成就労実施者の判断で1年を定めることが可能)であるところ、この転籍制限期間を超えて育成就労の対象となっていること。
- 転籍に当たって、民間の職業紹介事業者による職業紹介等を受けていないこと。
- 転籍先の育成就労実施者が「優良な育成就労実施者」であること。
- 転籍先の育成就労実施者において受け入れている育成就労外国人の総数のうちの本人意向の転籍を行った育成就労外国人の割合が一定以内であること。
- 転籍先の育成就労実施者が転籍元の育成就労実施者に対して一定の金額(※)を支払うこととしていること。
※育成就労外国人の取次ぎ及び育成に係る費用として主務大臣が告示で定める額に、転籍元での就労期間に応じた按分率をかけた金額
このうち2の「転籍制限期間」は各分野において定めることとしており、1年とすることを目指しつつも、当分の間、分野ごとに1年から2年の間で定められます。

一度本人意向の転籍を行った後、再度本人意向の転籍をしようとする場合においても、転籍制限期間が経過している必要があります(Q50のA)。
また、4の「優良な育成就労実施者」とは、技能および日本語能力に係る試験の合格率や法令の遵守状況等に照らして優良な育成就労実施者と認められている必要があります。また、人数について次のような制限があります。(Q53のA、Q54のA)
- 転籍元と同一の業務区分に従事させることや受入れに係る人数枠を超過していないこと
- 今回転籍しようとする外国人を分子にも分母にも含めた上で、分母を転籍先の育成就労実施者の育成就労外国人の総数とし、分子を本人意向の転籍者の総数として計算した結果が3分の1を超えてはならないこと
- 転籍先の育成就労実施者が大都市圏(指定区域の外)にある場合にあっては、地方(指定区域内)から受け入れる本人意向の転籍者の数が育成就労外国人の総数に占める割合が6分の1を超えてはならないこと(ただし、転籍者を含めて育成就労外国人が6名未満となる小規模な育成就労実施者は、前記の3分の1ルールを満たす限り、1名まで受け入れられます)
6の初期費用の補填については、転籍元が受入れに要した初期費用について、転籍先が一定以上の金額を負担することとされました。この一定の金額は、主務大臣が告示で定める金額に対し、育成就労外国人が在籍していた期間に応じた按分率を乗じて算出することになります(Q55のA)。
本人意向の転籍をするための手続は、法律上、育成就労外国人が、転籍を希望する旨の申出を行い、当該申出をした育成就労外国人を対象として新たに育成就労を行わせようとする新たな育成就労実施者(転籍先)は、転籍を希望する育成就労外国人に係る育成就労計画を作成し、機構へ認定申請を行うことになっています(Q49のA)。



