image085今通常国会に超党派の議員立法による「過労死等防止基本法案」が、5月23日に衆議院厚生労働委員会で可決され、今国会で成立する見通しとなりました。

本法律案は、「近年、我が国において過労死等が多発し大きな社会問題となっていること及び過労死等が、本人はもとより、その遺族又は家族のみならず社会にとっても大きな損失であることに鑑み、過労死等の防止に関し、基本理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、過労死等を防止するための施策の基本となる事項を定めること等により、過労死等を防止するための施策を総合的かつ計画的に推進する必要がある」として、提出されたものです。

そして、その具体的な施策としては、過労死等問題啓発週間(11月17日から11月26日)を設けること、過労死等防止基本計画を策定すること、毎年報告書を作成することなどが定められています。

一方、事業主の責務については、「努力義務」として①国及び地方公共団体が実施する過労死等を防止するための施策に協力すること、②労働者の健康の保持を図るため必要な措置を講ずること、が定められています。

このように、「基本法」である本法案では、事業主に直接何らかの義務を課す内容とはなっていませんが、国の責務を明らかにする内容となっていることから、本法施行後(公布の日から6か月以内)、行政等による指導が強化されることなどが考えられます。

 

■関連リンク

衆法 第185回国会 28 過労死等防止基本法案(衆議院HP)

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