雇用保険制度改革の方向性②

世界のハローワークからVOL016:ハローワーク品川

今回は、前回取り上げた労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会報告のつづきをとりあげます。はじめに、今後の動向が注目される雇用調整助成金の動向をみていきましょう。

雇用調整助成金の特例措置については、感染状況や感染対策の内容が雇用に与える影響にも十分留意しつつ今後の特例措置の取扱いを検討すべき、との意見があった一方で、長期にわたる特例措置が産業の新陳代謝を遅らせている可能性は否めず、また、労働者のスキルや労働意欲の低下が懸念されることから、経済回復のブレーキにならないよう、エビデンスに基づいて縮小を議論する段階に来ているとの意見があったことが指摘されました。そのうえで、雇用調整助成金の特例措置については、「経済財政運営と改革の基本方針2021」において「感染が拡大している地域・特に業況が厳しい企業に配慮しつつ、雇用情勢を見極めながら段階的に縮減していく」とされていることを踏まえて実施することが適当とされました。これに伴い、当面の措置として、令和4年度においては、以下のとおりの対応とすべきとされました。

  • 休業支援金についても、制度としては存続させつつ、雇用調整助成金の特例措置の取扱い等の対応に合わせて制度の在り方を検討する。
  • 雇用保険臨時特例法により設けられた、中小企業の基本手当日額の上限を超える部分について一般会計により負担する仕組みを延長する。

また、雇用保険二事業に積立金から借り入れることができる仕組みについては、3年間継続することとすべきとされました。

次に財政運営については、雇用保険財政は過去に例を見ない危機的な状況であり、立て直しが喫緊の課題としつつ、予期せぬ景気変動に伴う雇用情勢の悪化が生じたとしても十分対応できるものとしておくことが最も重要とされました。

そのうえで、失業等給付に係る保険料率は、原則の保険料率8/1,000は引き続き妥当な水準とされた上で、新型コロナウイルス感染症の経済への影響も未だ残っている状況にかんがみ、労使の負担感も踏まえた激変緩和措置として、失業等給付に係る保険料率は、令和4年度においては、令和4年4月から9月までは2/1,000、同年10月から令和5年3月までは6/1,000とすべきとされました。したがって、令和4年度においては、雇用保険料率が年度途中で変動することになる見込みです。

次に、育児休業給付に係る保険料率については、4/1,000 のままとすべきとされました。さらに、雇用保険二事業に係る保険料率については、原則3.5/1,000とすることが適当とされました。したがって、令和4年度の雇用保険料率は4月から9月までは9.5/1000(事業主負担は6.5/1000)、10月から翌年3月までは13.5/1000(事業主負担は8.5/1000)となる見込みです。

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会報告(厚生労働省HP)

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