厚生労働省が、令和元年度「高年齢者雇用開発コンテスト」の入賞企業を公表しました。このコンテストは、高年齢者雇用の重要性について、国民や企業などの理解の促進と、高年齢者に意欲と能力がある限り働き続けられる職場づくりに関するアイデアの普及を目的としており、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構との共催で毎年開催しているものです。

今回最優秀賞に選ばれたのは、医療法人社団五色会(香川県坂出市)でした。授賞理由は、次の通りです。

  • 継続雇用後も賃金水準が維持され、正職員のまま勤務時間や日数を軽減でき る短時間正職員制度を導入するとともに、高齢職員の個々の体力や能力に応 じて業務改善や配置転換を行っている。
  • 仕事の方法や施設内環境について改善提案できる機会として、年に4回、各職員と所属長の間で個別ミーティングを実施するとともに、日常的に、体調等の理由で高齢職員から勤務形態に関する相談があれば、可能な範囲で希望 に添えるよう、夜勤回数や勤務シフト、業務内容の変更を行うなど、高齢職員が長く働ける職場づくりに努めている。
  • 近年、60 歳以上の高齢者を複数名採用するなど、積極的な採用活動を行って いる。また、採用後1ヶ月間は、教育担当者を決めて指導する「トレーナー 制度」を導入し、高齢の新入職員の職場定着を図っている。
  • 腰痛対策のため機械入浴槽を導入したり、運搬作業の効率化のため大型台車 を導入したりするなど、高齢職員の作業環境を改善している。
  • 夜勤業務においては、若年看護師とペアを組むことにより、若年職員の精神的負担の軽減や高齢職員の体力的負担の軽減を図るとともに、看護技術の継承につなげている。

このように、柔軟な勤務制度、コミュニケーション、積極採用、災害防止措置、技能の継承など高齢者雇用のポイントを押さえた対策が、評価されたものと思われます。

そのほかの受賞企業も、補償コンサルタント業、 電気・通信設備工事業 、介護業、自動車教習所、縫製業など多様な業種の企業が受賞しています。人手不足の中、高齢者を積極採用している企業も見られますので、このような先進事例なども参考にしてみてはいかがでしょうか。

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参考リンク

令和元年度「高年齢者雇用開発コンテスト」の入賞企業が決定しました(厚労省HP)