今回の記事、ざっくり言うと・・・

  • 厚生労働省が、がん、脳卒中などの疾病を抱える方々に対して、会社が適切な就業上の措置や治療に対する配慮を行い、治療と職業生活が両立できるようにするため、会社における取組などをまとめたガイドラインを公表

image119厚生労働省が「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」を公表しました。

このガイドラインは、会社が、がん、脳卒中などの疾病を抱える方々に対して、適切な就業上の措置や治療に対する配慮を行い、治療と職業生活が両立できるようにするため、会社における取組などをまとめたものです。

今回、このようなガイドラインが作成されたのは、治療技術の進歩等により、これらの疾病が「不治の病」から「長く付き合う病気」に変化したことによるものです。たとえば、がん5年相対生存率(がんと診断された5年後に生存している割合)平成5~8年には53.2%だったものが平成15~17年には58.6%と向上しています。

ガイドラインでは、職場における意識啓発のための研修や治療と職業生活を両立しやすい休暇制度・勤務制度の導入などの環境整備、治療と職業生活の両立支援の進め方に加え、特に「がん」について留意すべき事項をとりまとめています。

ガイドラインのポイントは次のとおりです。

治療と職業生活の両立支援を行うための環境整備

  • 労働者や管理職に対する研修などによる意識啓発
  •  労働者が安心して相談・申出を行える相談窓口を明確化
  • 時間単位の休暇制度、時差出勤制度などを検討・導入
  • 主治医に対して業務内容などを提供するための様式や、主治医から就業上の措置などに関する意見を求めるための様式を整備

治療と職業生活の両立支援の進め方

  • 労働者が事業者に支援を求める申出(主治医による配慮事項などに関する意見書を提出)
  • 事業者が必要な措置や配慮について産業医などから意見を聴取
  • 事業者が就業上の措置などを決定・実施(「両立支援プラン」の作成が望ましい)

がんに関する留意事項

  • 治療の長期化や予期せぬ副作用による影響に応じた対応の必要性
  • がんの診断を受けた労働者のメンタルヘルス面へ配慮

参考リンク

「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」を公表します。(厚生労働省HP)

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