厚生労働省が「イクメン企業アワード2019」の受賞企業と「イクボスアワード2019」の受賞者を決定しました。これらのアワードは、育児を積極的に行う男性=「イクメン」を応援し、男性の育児休業取得を促進する「イクメンプロジェクト」の一環として、働きながら安心して子どもを産み育てることができる労働環境の整備推進を目的に、企業や個人を表彰するものです。

今回は「イクメン企業アワード両立支援部門」の取り組み内容を紹介したいと思います。

グランプリを受賞した2社のうち、アフラック生命保険会社の取り組みは次の通りです。

  • 男性従業員の育児休業取得率:70%、平均取得日数:10 日(2018 年度)
  • 子育て中社員は子育てシフト勤務・短時間勤務制度により勤務時間を 10 通りから選択可能。シフト勤務・フレックスタイム制度は子育て中以外の社員も利用可能で、ライフスタイルに合わせて柔軟に働き方を選べる環境が整っている
  • 男性社員の育児参画に向け、子供が誕生した男性社員とその上司宛に育児休業制度の周知と取得を促すメールを発信
  • 所定外労働時間、年次有給休暇、配偶者出産休暇、男性社員の育児休業取得等に目標を設定し、部署毎の取得状況を社内で情報共有するほか、目標の達成状況を 役員・管理職の人事評価に反映

男性従業員の育休取得率70%は驚異的な数字です。3つ目にあるように育休奨励を本人と上司に行い、短期間でも取得するよう促しているのだと思われます。働き方についても多くの選択肢が用意されているのも、仕事と育児の両立に資するものといえます。

次に、グランプリの2社目株式会社コーソルの取り組みを紹介します。

  • 男性従業員の育児休業取得率:63%、平均取得日数:23 日(2018 年度)
  • 全社員が、社長と年1回、人事担当と年1回、1対1で面談を実施しており、社 員のニーズを反映して人事制度を改訂するなど、離職率の低減に寄与
  • 社内向けの「育休セミナー」や「イクメン座談会」において、育児休業を取得し た男性が育休制度の説明や体験談を語るなど、男性向けのアプローチが充実
  • 小学校を卒業するまでの間、育児により制限された勤務時間分の賃金の50%を補填する「育児支援手当」を導入
  • 育児、介護、傷病等の事情がある社員を対象に在宅勤務制度を導入

こちらは従業員127名と中規模の事業所ですが、その分社長とのマンツーマンでの面談を年に1度実施するなど、規模の特性を生かしたよりきめ細やかな対応を行っているところが特徴的です。また、4つ目の「育児により制限された勤務時間分の賃金の50%を補填する育児支援手当」という制度は、独特な取り組みといえます。男性が育児休業取得を思いとどまる理由の一つに収入減が挙げられることが少なくありませんが、このような補填があれば、男性の育休取得も進む一助となるでしょう。

このほかにも「特別奨励賞」の取り組みやイクボスの受賞者についても紹介されています。男性の育児休業の取得は、政府の掛け声で数は増えていますが、まだまだ全体では数%程度です。上記のような取り組みも参考にしてみてはいかがでしょうか。

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

「イクメン企業アワード2019」・「イクボスアワード2019」の受賞企業・受賞者を決定しました(厚労省HP)