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独立行政法人労働政策研修・研究機構(JILPT)が「ものづくり産業におけるD X (デジタルトランスフォーメーション)に対応した人材の確保・育成や働き方に関する調査」の結果を公表しました。ここでは、そのなかで新型コロナウイルス感染症の拡大の全社的な影響に関するものについてみていきたいと思います。

本調査で、新型コロナへの対応に関する人事労務管理の施策として実施したことをみると、いわゆる「3密の防止」に関連する施策が実施されていることがわかります。最も多い「出張の禁止・制限」は緊急事態宣言などが発出されている中では憚られるという事情もあると思いますが、「リモートワークの導入・活用」(31.3%)、「時差通勤・フレックスタイム制の導入・活用」(22.9%)、「通勤手段の柔軟化(電車→自家用車など)」(17.7%)、「採用活動方法(説明会、面接など)の見直し」(15.3%)など、可能な範囲で感染拡大防止に取り組む企業もすくなくありません。一方、小規模の事業所では特段対応をしていない企業が多く、人事労務管理の施策についても「特に実施していない」の割合は「49 人以下」では38.8%に上るなど規模が小さくなるほど割合は高くなる傾向があります。

では、このような状況下で、企業はどのように人材育成に取り組んでいるのでしょうか。本調査によれば、「オンラインを活用した研修が増える」が 31.5%で最も高く、次いで「作業手順書やマニュアルの整備が進む」(22.8%)、「よりOJTを重視するようになる」(12.7%)などの順で
高いという結果になりました。しかし、研修のオンライン化やマニュアルの整備は、ある意味一人で仕事ができる環境が強まっているということでもあり、チームの一体感が失われ始めているといった別の問題も発生しています。今後の企業はこのような新しい課題に取り組む必要があるといえそうです。

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参考リンク

デジタル技術活用企業の約半数は自社人材への研修・教育訓練で人材確保(JILPTのHP,PDF)