今日の記事、ざっくり言うと・・・

  • 厚生労働省が「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」の報告書を公表
  • 企業がパワーハラスメントの予防・解決に向けた取組を実施すると、企業にとってはパワーハラスメントの実態が把握しやすくなる
  • パワーハラスメントを受けたと感じた者の約4割は「何もしなかった」と回答

厚生労働省が「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」の報告書を公表しました。

報告書によれば、パワーハラスメントに限らず、従業員の悩み、不満、苦情、トラブルなどを受け付けるための相談窓口において相談の多いテーマは、パワーハラスメントが32.4%と最も多い結果となりました。過去3年間に1件以上のパワーハラスメントに該当する相談を受けたと回答した企業は36.3%で、全体の3分の1以上となっています。

この結果は、パワーハラスメントが職場における大きな問題の一つになっているといえますが、一方で、「3年間に1件以上のパワーハラスメントに該当する相談を受けた」のが4割弱という数字は、相談窓口があまり利用されていないということを表しているようにも思えます。

次に、パワーハラスメントの予防・解決に向けた取組状況についてみてみましょう。

パワーハラスメントの予防・解決に向けた取組を実施している企業は52.2%、相談窓口を設置している企業は73.4%となっています。

では、パワーハラスメントの予防・解決に向けた取組の主な効果は、どのように考えられているのでしょうか。

企業がパワーハラスメントの予防・解決に向けた取組を実施すると、企業にとってはパワーハラスメントの実態が把握しやすくなるほか、職場環境が変わる、コミュニケーションが活性化するという効果が得られるほか、「休職者・離職者の減少」、「メンタル不調者の減少」などの付随効果が得られるという結果になりました。

実は、パワーハラスメントを受けたと感じた者の約4割は「何もしなかった」と回答しています。そのため、会社としてパワハラを許さないという姿勢を明確に示すことにより、従業員も相談窓口等を利用しやすくなり、企業としても実態を把握しやすくなるということが考えられます。

パワーハラスメントの予防・解決のための効果が高い取組として、相談窓口の設置や管理職向け・従業員向けの研修の実施を挙げている企業の比率が高いとされています。一方、従業員にとっては、企業がパワーハラスメントの予防・解決に向けた取組を1つでなく、複数実施することが、職場の生産性の改善などの効果を感じやすいと回答しています。

参考リンク

「職場のパワーハラスメントに関する実態調査」の報告書を公表します~全国の企業・従業員を調査し、パワーハラスメントの発生状況や、予防・解決に向けた取組の主な効果・課題を把握~(厚生労働省HP)

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