労働施策総合推進法の改正により職場におけるパワーハラスメント防止のために、雇用管理上必要な措置を講じるこ とが事業主の義務となりました。改正法は令和元年6月5日に公布されており、公布後1年以内の政令で定める日に施行されます。なお、パワーハラスメントの措置義務については、中小企業は、公布後3年以内の政令で定める日までの間は、 努力義務となります 。

改正法では、職場におけるパワーハラスメントとは、以下の3つの要素をすべて満たすものとされました。 なお、適正な範囲の業務指示や指導についてはパワハラに当たりません 。

  1. 優越的な関係を背景とした
  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により
  3. 就業環境を害すること(身体的若しくは精神的な苦痛を与えること)

このうち「優越的な関係」については、「職場のパワーハラスメント防止対策に関する検討会報告書」においては、パワハラを受ける労働者が行為者に対して抵抗又は拒絶することができない蓋然性が高い関係に基づいて行われることで、例えば、職務上の地位が上位の者による行為・同僚又は部下による行為で、当該行為を行う者が業務上必要な知識や豊富な経験を有しており、当該者の協力を得なければ業務の円滑な遂行 を行うことが困難であるものも含まれるとされており、これまでの議論もふまえて指針で定められる予定です。

雇用管理上の措置の具体的内容は、現行のセクハラ防止の措置義務の内容を踏まえて今後検討されますが、次のような措置が想定されています。

  • 事業主によるパワハラ防止の社内方針の明確化と周知・啓発
  • 苦情などに対する相談体制の整備
  • 被害を受けた労働者へのケアや再発防止 等

以上は、下記の東京労働局作成のリーフレットを参考に、現時点で明らかな内容をまとめたものです。今後、指針等で詳細が明らかになると思われますが、セクハラやマタハラ・パタハラ等の防止措置に準じた内容が予想されます。

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参考リンク

パワーハラスメントの義務化等について(労働施策総合推進法の改正等(東京労働局HP)