今日の記事、ざっくり言うと・・・

  • メンタルヘルス対策に関する新たな指導方針に関する通達が発出
  • 精神障害に関する労災支給決定が行われた事業場及び企業の本社事業場に対するメンタルヘルス対策の特別指導の実施、違法な長時間労働が認められる等の事業場に対するメンタルヘルス対策の指導の充実、パワーハラスメントの予防・解決に向けた周知啓発の徹底、長時間労働等によりハイリスクな状況にある労働者を見逃さない取組の徹底などが盛り込まれている

先日、メンタルヘルス対策に関する新たな指導方針に関する通達が発出されましたので、今回は、これについてみていきましょう。

  1. 精神障害に関する労災支給決定が行われた事業場及び企業の本社事業場に対するメンタルヘルス対策の特別指導の実施
  2. 違法な長時間労働が認められる等の事業場に対するメンタルヘルス対策の指導の充実
  3. パワーハラスメントの予防・解決に向けた周知啓発の徹底
  4. 長時間労働等によりハイリスクな状況にある労働者を見逃さない取組の徹底

このうち、1については、「メンタルヘルス対策を主眼とする個別指導を実施すること」、さらに「指導結果等を勘案し、精神障害の再発防止を図るための総合的か つ継続的な改善の指導が必要と認められる場合には、当該事業場に対して、労働安全衛生法…に基づき、衛生管理特別指導事業場に指定し、メンタルヘルス対策に係る取組の改善について指示する」とされました。

また、「傘下事業場において、概ね3年程度の期間に、精神障害に関する労災支給決定が2件以上行われた場合には、当該企業の本社事業場に対して、メンタ ルヘルス対策を主眼とする個別指導を実施し、全社的なメンタルヘルス対策の取 組について指導を行うこと」、さらに、過労自殺(未遂を含む。)が含まれる場合には、「本社事業場に対して、…衛生管理特別指導事業場に指定し、メンタルヘルス対策に係る取組の改善につい て指示するとともに、全社的な改善について指導する」とされました。

次に、2については、「時間外・休日労働時間数が1か月当たり80時間を超える等の事業場に対する監督指導等においては、ストレスチェック制度を含むメンタルヘルス対策に関する法令の遵守状況の確認を行うとともに、違法な長時間労働や過労死等が認められた場合には、産業保健総合支援センターのメンタルヘルス対策の専門家…による訪問指導の受入れについて、強く勧奨を行う」とされました。

次に、3については、パワー ハラスメント対策の浸透を図るため、「メンタルヘルス対策を主眼とす る個別指導や長時間労働が行われている事業場に対する監督指導、集団指導等の際 に、「パワーハラスメント対策導入マニュアル」やパンフレット等を活用し、パワー ハラスメント対策の取組内容について指導を行う」とされました。

最後に、4については、都道府県労働局長が労働衛生指導医の意見に基づいて事業者に臨時の健康診断の実施その他必要な事項を指示することができる場合の範囲について、「長時間労働を行う労働者に対して、過重労働による健康障害の防止対策が講じられ ていない場合もこれに含まれると考えられるもの」という解釈を示しました。

また、「事業場において、長時間労働を行う労働者に対して、過重労働による健康障害の 防止対策が講じられていない場合で、労働者の健康を保持するため必要があると認 めるときには、労働衛生指導医の意見に基づき、事業者に対して、長時間労働者全 員への医師による臨時の健康診断として問診(緊急の面接)を実施するよう指示す る」とされました。

参考リンク

「過労死等ゼロ」緊急対策を踏まえたメンタルヘルス対策の推進について(厚生労働省HP,PDF)

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