今日の記事、ざっくり言うと・・・

  • 今国会提出の働き方改革推進法の概要が公表
  • 改正法では、時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度に設定
  • 中小企業における月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)について、中小企業への猶予措置を廃止

世界の労働基準監督署からVOL004:千葉労働基準監督署

今国会提出の働き方改革推進法の概要が公表されました。なかでも注目されるのが労基法関係の改正内容です。

長時間労働対策に関しては、主に次の4つが大きな内容です。

まず、時間外労働の上限について、月45時間、年360時間を原則とし、臨時的な特別な事情がある場合でも年720時間、単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度に設定します。

次に、中小企業における月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(50%以上)について、中小企業への猶予措置を廃止することとされています。これは、平成35年4月1日施行の予定です。

第3に、一定日数の年次有給休暇の確実な取得を義務付けます。すなわち、使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年、時季を指定して与えなければならないこととされます。

第4に、労働時間の状況を省令で定める方法により把握しなければならないこととする内容が、労働安全衛生法に追加されます。これは、既にあるガイドラインの法律への格上げとみられます。

多様で柔軟な働き方の実現に関するものとしては、①フレックスタイム制の「清算期間」の上限を1か月から3か月に延長すること、②職務の範囲が明確で一定の年収(少なくとも1,000万円以上)を有する労働者が、高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事する場合に、年間104日の休日を確実に取得させること等の健康確保措置を講じること、本人の同意や委員会の決議等を要件として、労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用除外とする、いわゆる「高度プロフェッショナル制度」を導入することがあります。

このうち、時間外労働の上限規制はかなり複雑な管理が必要になります。また、60時間超の割増率の引き上げもあわせて、中小企業にとっては対応に苦慮することが予想されます。

参考リンク

働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案の概要(厚労省HP,PDF)

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