新型コロナウイルス感染が拡大するなか、昇給の季節を迎えたわけですが、企業はどのように対応したのでしょうか。東京商工リサーチが公表した「2020年度「賃上げアンケート」調査」の結果をみてみましょう。

本調査によれば、2020年度(20年4月-21年3月)に賃上げを予定する企業は72.1%で、前年度(19年度)実績の80.9%から8.8ポイント下落し、過去5年で初めて8割を割り込み最低となりました。これが新型コロナウイルスの影響であることは間違いないでしょう。したがって、新型コロナウイルスの影響は早くも賃金に表れてきているといえます。

規模別では、大企業が82.3%なのに対し、中小企業は70.1%にとどまりました。この数字を19年度実績と比べると、中小企業は10.7ポイントの下落と大幅に落ち込んでいることになります。大企業に比べて経営体力の弱い中小企業により深刻な影響があることが伺えます。

調査結果では「中小企業は賃上げだけでなく、夏季賞与(一時金)への影響も懸念され、個人所得の低下が個人消費の落ち込みにつながる悪循環も現実味が出てきた」と分析しており、パンデミックが長期化すればさらに来年度の賃上げにも暗い影を落とすことになりかねません。

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参考リンク

2020年度「賃上げアンケート」調査(東京商工リサーチHP)