世界の労働基準監督署からVOL019:水戸労働基準監督署

厚生労働省が「平成30年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表しました。

「個別労働紛争解決制度」は、個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルを未然に防止し、早期に解決を図るための制度で、「総合労働相談」、労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」の3つの方法があります。今回は、これらの相談状況についてみていくことにします。

その内容については、民事上の個別労働紛争の相談件数が82,797件(同14.9%増)で過去最高となり、助言・指導の申出、あっせんの申請もともに最高となりました。また、あっせんの申請は、前年比で1,808件(同18.2%増)と大きく増加しました。

資料では、紛争の解決事例も掲載されています。

たとえば「助言・指導」の事例では、「申出人は正社員として勤務していたが、上司から「バカ」「クズ」 等といった侮辱的な発言や人を見下した言葉で詰め寄ってくるといっ た暴言などを日常的に受けている。責任者に相談し、対応を約束して もらったものの、調査や指導が適切に行われず、改善していない。 今後も働き続けたいと考えているため、職場環境の改善を求めたいとして、助言・指導を申し出た」事例において、「事業主に対し、上司の行為は「職場のパワーハラスメントの予防・ 解決に向けた提言」で示されている類型(精神的な攻撃)に該当する 可能性があり、会社の責任が問われる可能性があることから、パワー ハラスメントの有無について調査し必要な対応を行うことについて検 討するよう助言した」ところ「上司による暴言があったことが判明したため、事業主から上司へ の指導及び教育・研修が行われたことで、上司からの暴言はなくなり、 職場環境が改善された」といったものが公開されています。

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参考リンク

「平成30年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します(厚労省HP)