改正育児介護休業法の施行第2弾となる10月1日が近づいてきていますので、10月1日施行分を積み残している企業はそろそろ準備を始めたほうがよいでしょう。そこで、以下では、令和3年11月30日版「令和3年改正育児・介護休業法に関するQ&A」をもとに、「出生時育児休業(産後パパ育休)」を中心にみていきましょう。

出生時育児休業は、子の出生後8週以内に4週間まで取得することができる柔軟な育児休業の枠組みとされています。現行の育児休業と比べて、①申出期限が原則休業の2週間前まで、②新制度の中で分割して2回取得することが可能、③労使協定を締結している場合に限り、労働者と事業主が合意した範囲内で、事前に調整した上で休業中に就業することが可能、という特徴があります。

なお、子の出生後8週以内の育児休業はすべて出生時育児休業として取り扱われるわけではなく、労働者の選択により、新制度と通常の育休のいずれも取得可能となります。この点を従業員が理解していることはあまり考えられないことから、制度の説明をしたりして、出生時育児休業なのか、通常の育児休業なのか明確にして申出をさせるようにするとよいでしょう。

出生時育児休業を2回に分割して取得する場合は、初回の出生時育児休業の申出の際にまとめて申し出ることが原則であり、まとめて申し出ない場合には、事業主は2回目以降の出生時育児休業に係る申出を拒むことができます。

次に、出生時育児休業の大きな特徴である、休業期間中の就業についてみていきましょう。

休業中の就業は、労使協定を締結している場合に限り、労働者と事業主の合意した範囲内で、事前に調整した上で休業中に就業することを可能とするものです。出生時育児休業中に就業させることができる者は、「休業開始日の○週間前までに就業可能日を申し出た労働者に限る」などのように対象労働者の範囲を規定することは可能です。

出産時育児休業中の修行について、具体的な手続きの流れは次のとおりです。

  1. 労働者が就業してもよい場合は、事業主にその条件を申し出
  2. 事業主は、労働者が申し出た条件の範囲内で候補日・時間を提示(候補日等がない(就業させることを希望しない)場合はその旨)
  3. 労働者が同意
  4. 事業主が通知

上記のうち、1の「条件」とは、「就業可能日」「就業可能日における就業可能な時間帯その他の労働条件」であり、業務内容が「労働条件」の範囲内であれば(例えば、テレワークで実施できる集計業務に限って就業可能と申し出る、等)、労働者から申し出ることができ、事業主は労働者の申出の範囲内で就業させることができることとなります

就業可能日等は、 休業期間中の所定労働日・所定労働時間の半分であることと、休業開始・終了予定日を就業日とする場合は当該日の所定労働時間数未満であることが必要です。

出生時育児休業の開始予定日の前日までに労働者から変更の申出があった場合には、労働者から再度申出がされた変更後の就業可能日等について、再度就業可能日等のうち、就業させることを希望する日(希望する日がない場合はその旨)およびその時間帯その他の労働条件等を労働者に提示し、労働者の同意を得る必要があります。

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参考リンク

 令和3年改正育児・介護休業法に関するQ&A(令和年3年11月30日時点)