今回の記事、ざっくり言うと・・・

  • 労働者過不足判断D.I. は、正社員等労働者は 28 ポイントと 16 期連続、パートタイム労働者は27 ポイントと 23 期連続して、それぞれ不足超過となった
  • 平成28年度の新卒採用計画では、各学歴で前年を上回る結果となりました

image135厚生労働省は、今月16日に、労働経済動向調査(平成 27 年5月)の結果を取りまとめ、公表しました。

この「労働経済動向調査」は、景気の変動が雇用などに及ぼしている影響や今後の見通しについて調査し、労働経済の変化や問題点を把握することを目的に、四半期ごとに実施しています。また、今回は特別項目として、平成28 年新規学卒者の採用計画等についても調査しています。

今回は、このうち労働者の過不足の状況、平成28年度の新卒採用計画についてみてみましょう。

1.労働者の過不足の状況

労働者の過不足の状況を把握するため、本調査では「労働者過不足判断D.I.」をもちいます。

「労働者過不足判断D.I.」とは、調査時点において、労働者が「不足」と回答した事業所の割合から「過剰」 と回答した事業所の割合を差し引いた値です。 この判断D.I.がプラスであれば、人手不足と感じている事業所が多いことを示します。

労働者過不足判断D.I. は、平成27 年5月1日現在、正社員等労働者は「調査産業計」で 28 ポイントと 16 期連続、パートタイム労働者は「調 査産業計」で 27 ポイントと 23 期連続して、それぞれ不足超過となりました。正社員等労働者、パートタイム労働者ともに全ての産業で不足超過となっています。

2 平成28 年新規学卒者の採用計画等

学歴別にみた平成28年新規学卒者の採用予定者数を平成27年の採用者数よりも「増加」とする事業所の割合は、「高校卒」24%(前年17%)、「高専・短大卒」17%(10%)、「大学卒(文科系)」19%(15%)、「大学卒(理科系)」22%(18%)、「大学院卒」13%(9%)、「専修学校卒」14%(8%)で、各学歴で前年を上回る結果となりました。

なお、平成28年新規学卒者の採用予定者数を「増加」とする事業所について、その理由をみると、大学院卒以外では、「長期的に育成することが必要な基幹的業務を担う 者の確保」が最も高くなっています。

 

このように、今回取り上げた内容からは、労働力不足感が高まっている状況が共通して伺えます。今夏については、建設業や製造業で正社員雇用判断D.I.が、医療,福祉やサービス業でパートタイム雇用判断D.I.が他業種に比べて高くなっており、必要とする労働力の獲得競争が激しくなると予想されます。

■関連リンク

労働経済動向調査(平成27年5月)の概況(厚労省HP)

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