世界の労働基準監督署からVOL004:上野労働基準監督署

現在自動車運転者の改善基準の改正について専門委員会で議論が行われています。現時点ではタクシー・ハイヤーとバスについては、事務局案が提示されており、トラックについては実態調査をもとに、労使で意見が交わされています。

改正案のたたき台となる「事務局案」では、タクシー・ハイヤー運転者の拘束時間について、日勤は1ヶ月の拘束時間を現行の299時間から288時間(288時間=195時間+93時間)、隔日勤務は、1ヶ月の拘束時間を262時間とし、地域的事情その他の特別な事情がある場合、労使協定を締結し、年6回270時間まで延長できると案が示されています。

また、日勤の1日の休息期間について、現行の8時間から原則11時間(週3回まで9時間)、1日の拘束時間については現行では原則13時間、最大16時間となっているものを、原則13時間(週3回まで15時間)とし、隔勤は2暦日の休息期間を20時間、2暦日の拘束時間を21時間とする案が示されています。

車庫待ち等は、現行では一定の条件の下に最大拘束時間の延長が認められていますが、他の業務形態における拘束時間の見直しにあわせて、見直しを行うべきとされています。そして、事務局案では、日勤の1ヶ月の拘束時間については、車庫待ちは、1ヶ月の拘束時間288時間を、労使協定を締結し、300時間まで(現行は322時間まで)とする案が示されています。なお、1日の拘束時間については、現行と変わらず、次の条件を満たせば24時間まで延長できるものとする案が示されています。

  • 休息期間 継続20時間以上
  • 16時間超えは1ヶ月7回以内
  • 18時間超えの場合、夜間に4時間以上の仮眠付与

また、隔勤については、1ヶ月の拘束時間については、1ヶ月の拘束時間(262時間、延長した場合は270時間)について、次の条件を満たせば、10時間(現行は20時間)を加えた時間を延長できるとする案が示されています。

  • 夜間4時間以上の仮眠付与
  • 21時間超えは労使協定により1ヶ月7回以内

また、2暦日の拘束時間についても、同じ条件を満たせば24時間まで延長できるとする案が示されています。

このように、拘束時間等については大幅に短縮される案が示されており、今後の議論の行方が注目されます。なお、委員会ではバスの運転者に関する改定案も示されています。

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参考リンク

第6回労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会資料(厚生労働省HP)