世界の労働基準監督署からVOL018:成田労働基準監督署

厚労省のサイト「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について」上で長い間掲載準備中だった「Q&A」の欄に、「改正労働基準法に関するQ&A」が追加されました。

今回追加された内容は概ね解釈通達(H30.12.28基発1228第15号)および解説リーフレットに掲載されていたQ&Aをまとめた内容となっています。

ところで、今回から労働者が希望した場合には、ファクシミリや電子メール等で労働条件 を明示することができるようになりました。電子メール「等」にはSNSによる場合も含まれるとされていることから、今後LINEなどで労働条件の通知が行われることもあると思われます。そこで、その場合の留意点についてみていくことにしましょう。

まず、今回電子メール等による労働条件の通知が認められているのは、「出力することにより書面を作成することができるものに限る」とされています。しかし、これは、プリンターの保有状況等個人的な事情を指しているのか、それとも世間一 般的に出力可能なことを指しているのか不明確でした。この点についてQ&Aの回答(A)では、次のように示され、明確になりました。すなわち、「労働者の個人的な事情によらず、一般的に出力が可能な状態であれば、「当該労働者が当該電子メール等の記録を出力することにより 書面を作成することができるもの」に該当する」ものとされました。したがって、本人がプリンターを所有しているかどうかまで会社が確認する必要はありません。

また、メールでは「メールが届かない」といった問い合わせが来ることも想定されます。この点については、「受信履歴等から電子メール等の送信が行われたことを受信者が認識しうるのであれば、送信をしたことになります。また、webメールサービスやSNS等において、本人の通信端末機器に 受信した内容が到達していなくても、メールサーバー等に到達していれ ば、電子メール等の送信が行われたことを受信者が認識し得る状態にあ ると判断できるため、認められます」とされています。もっとも、トラブル防止の観点からは、確認した場合には返信メールないしメッセージを送るように本文に記載し、1週間経っても返信がない場合には到達の有無を電話等で直接確認することが望ましいでしょう。

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

改正労働基準法に関するQ&A (厚労省HP,PDF)