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厚生労働省が令和3年改正育児・介護休業法に関するQ&A (令和3年11月30時点)を公開しました。改正法の施行を4月に控え、実務上重要な資料となりますので、今回はこの中でも注目の内容についてみてみましょう。

Q2-4:個別周知について、次のような場合は、申出時に周知・意向確認措置義務が課されるのですか。それとも取得可能になった時に周知・意向確認措置義務が課されるのですか。
① 労働者から妊娠の申出があったが、労使協定で除外している入社1年未満の労働者である場合。
② 有期契約労働者から妊娠の申出があったが、雇用契約の更新予定がない場合。
③ 育休取得できないことが明らかな労働者である場合(入社1年以上経つ時は子が1歳を超える等)
A2-4:いずれの場合も妊娠・出産等の申出があった段階で周知・意向確認の措置の義務が発生するものですが、子の年齢が育児休業の対象年齢を既に超えている場合等、今後育児休業を取得する可能性がない場合については、育児休業の制度の対象とはならない旨の説明を行えば足ります。 ①②のように当該労働者にとって後に育児休業申出が可能になる可能性があるケースについては、個別周知の措置は通常どおり行う必要がありますが、意向確認の措置については、その時点では当該労働者は育児休業申出が可能でないことから、措置を実施する必要はありません。

一見すると個別周知・意向確認が不要とも思いかねない場面でも、将来育児休業の取得の可能性がある場合には、個別周知は通常通り行うこととされていることに留意してください。

Q2-7:妊娠・出産等の申出は口頭でよいですか。
A2-7:法令では、申出方法を書面等に限定していないため、事業主において特段の定めがない場合は口頭でも可能です。(※) 事業主が申出方法を指定する場合は、申出方法をあらかじめ明らかにしてください。 仮に、申出方法を指定する場合、その方法については、申出を行う労働者にとって過重な負担を求めることにならないよう配慮しつつ、適切に定めることが求められますので、例えば、労働者が当該措置の適用を受けることを抑制するような手続を定めることは、認められません。 また、仮に、その場合に指定された方法によらない申出があった場合でも、必要な内容が伝わるものである限り、措置を実施する必要があります。
(※) 口頭による申出の場合でも措置を実施する必要がありますので、円滑な措置の実施のために、例えば、あらかじめ社内で申出先等を決めておき、その周知を行っておくことが望ましいです。

妊娠・出産の申出方法について、口頭でも差支えないとする内容ですが、注目すべきなのは、「 事業主が申出方法を指定する場合は、申出方法をあらかじめ明らかにしてください」とされている点です。申出場所や申出書の様式を定める場合などは、これらについて明らかにしておく必要があります。明らかにする場合は、就業規則(育児介護休業規程)への規定をするべきでしょう。

Q2-13:意向確認の措置に対して労働者から「育児休業の取得の意向はない」と回答があった場合、その後に労働者から育児休業申出が行われても、拒むことができるのですか。
A2-13:法第 21 条第1項に基づき事業主が労働者に育児休業の意向確認をした際に、労働者が「育児休業の取得の意向はない」旨を示したとしても、労働者は法に基づき育児休業の申出を行うことができ、事業主は適法な労働者の育児休業申出を拒むことはできません。

意向確認は、あくまでその時点での考えを確認するにとどまるもので、実際に育児休業を取得するかどうかは、申出期限まで本人が決めることができるというわけです。

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参考リンク

令和3年改正育児・介護休業法に関するQ&A(令和年3年11月30日時点)(厚生労働省HP)