世界の労働基準監督署からVOL016:東金労働基準監督署

取り上げるのも3回目なので取り上げるか迷ったのですが、感染が疑われる方への対応については、確認しておいた方がよいと思いますので、取り上げておきたいと思います。

問1 感染が疑われる方については、どのようにすればよいのでしょうか。

風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合、強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合には、最寄りの保健所などに設置される「帰国者・接触者相談センター」にお問い合わせください。
 また、高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患など)の基礎疾患がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤などを用いている方で、これらの状態が2日程度続く場合は、帰国者・接触者相談センターに相談してください。
 「帰国者・接触者相談センター」でご相談の結果、新型コロナウイルス感染の疑いのある場合には、「帰国者・接触者外来」を設置している医療機関をご案内します。「帰国者・接触者相談センター」は、感染が疑われる方から電話での相談を受けて、必要に応じて、帰国者・接触者外来へ確実に受診していただけるよう調整します。受診を勧められた医療機関を受診し、複数の医療機関を受診することは控えてください。
 なお、これらの症状が上記の期間に満たない場合には、現時点では新型コロナウイルス感染症以外の病気の方が圧倒的に多い状況であり、インフルエンザ等の心配があるときには、通常と同様に、かかりつけ医等にご相談ください。
(以下略)

これまで渡航歴や渡航歴のある方との接触の有無などに言及していましたが、今後は「症状」での対応が必要になります。具体的には「風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く場合、強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合」です。また高齢者の方や基礎疾患がある方については、「4日」ではなく「2日」としています。継続雇用制度等の普及により職場にいる高齢者の数も増えていると思われますので、これらに該当するケースでは、「帰国者・接触者相談センター」(名前を変えた方がいいのではないでしょうか・・・)に相談するよう指導する必要があります。

ところで、今回公表されているQ&Aは過去の新型インフルエンザに関するQ&Aを踏襲しているものも散見されます。そこで、以下では、「新型インフルエンザに関するQ&A」の中で、参考になりそうなものを取り上げたいと思います。

今後実際にありそうなのは、 労働者が新型コロナウィルスに感染した場合や、同居する家族が感染した労働者(濃厚接触者)への対応です。まだこれについては、コロナウィルスのQ&Aでは示されていませんので、あくまで参考としてということを強調しておきたいのですが、新型インフルエンザに関するQ&Aでは、「インフルエンザ様症状がない場合は、一般的には仕事を休ませずに職務を継続することが可能となると考えられますが、職務の必要性や内容に応じてその継続の可否を判断して下さい。その際、勤務を継続する場合は、朝夕の検温や手洗いなどの健康管理を行い、体調が悪化した場合は直ちに上司に報告するよう、徹底することが必要です」と、ほとんど材料になるものではありません。今後、同様のQ&Aが新型コロナウィルスでも掲載されるかもしれませんが、最終的には自社で判断しなければならないという前提で、今のうちに検討しておくとよいと思います。

また、 新型インフルエンザに関するQ&A では、実際に労働者の感染が確認された場合についても「労働者全員を自宅待機させる必要はないまでも、感染拡大防止の工夫をしていただきたいと考えます」としています。工夫をせよと言われましてもほとんどの事業主は感染症の素人なんですが・・・

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)(厚労省HP)