東京都は、東京都男女平等参画基本条例の規定に基づき、毎年、雇用状況に関する調査を実施しています。本調査では、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法への対応等に加え、今年度は、職場のハラス メント防止への取組をテーマとし、企業における雇用管理の取組状況や従業員の意識等について調査しました。今回は、その概要を紹介しましょう。

まず、職場のハラスメントの現状です。過去5年間にハラスメントが「問題になったことがある」と回答した事業所は31.9%、「問題になったことはないが実態としてある」10.9%で、合計した42.8%の事業所で何らかのハラスメントが実態としてあることがわかります。また、何らかのハラスメントを「受けたことがある」と答えた従業員の割合は男性 13.2%、女性 23.8%でした。女性の方が男性より割合が多いことには留意が必要でしょう。

また、行為者は「上司」となっており(事業所 72.2%、男性 68.7%、女性 67.9%)、突出して高くなっているとしています。

このような実態に対して、現在実施されているハラスメント防止対策の取組状況は、実施率が最も高いのは「就業規則等にハラスメント禁止を明記」で 84.1%、次いで「事業所内外に相談窓口・担当者、苦情処理機関等を設置」が 77.8%でした。一方、従業員が必要とする取組は「企業のトップや幹部の意識改革」(男性65.4%、女性67.9%)、「ハラスメントを許さないという企業方針の明確化及び周知・啓発」(男性52.4%、女性52.4%)、「問題発生時の迅速・公正な対応」(男性 49.5%、女性 49.9%)が上位となっており、単に規定があるだけではなく、実質的な取り組みを求めているといえるでしょう。これが、今後のハラスメント対策のポイントといえるかもしれません。

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参考リンク

令和元年度「職場のハラスメント防止への取組等 企業における男女雇用管理に関する調査」(東京都産業労働局HP)