前々回ではストレスチェック制度の実施方法について、「ストレスチェック項目等に関する専門検討会 中間とりまとめ(案) 」をもとに見てきました。

今回は残りの部分について、その概要をみていくことにしましょう。

まず、ストレスチェックの項目については、基本的な考え方として、「ストレスチェックの目的は、主に一次予防(本人のストレスへの気づきと職場環境の改善)であり、副次的に二次予防(メンタルヘルス不調の早期発見)になり得るものと整理する」ものとしています。この点は、前回も触れました。

そして、これをふまえ、ストレスチェックの項目としては、「仕事のストレス要因」、「心身のストレス反応」および「周囲のサポート」の3領域に関する内容を含めるものとされており、具体的には指針等で示されるものとされています。ただし指針も絶対的なものではなく、「各企業においては、国が示す標準的な項目を参考としつつ各々の判断で項目を選定することができるようにすべき」とされており、一定の科学的な根拠があることを前提として、企業が独自に設問を追加することなども可能となるようです。

なお、上記のとおりストレスチェックは、一次予防を主な目的とするものですが、法定外としてうつ病等の精神疾患のスクリーニングを行うことについても、「労働者の同意を得た上で行うのであれば、ある程度事業者の裁量に任せることが適当である」とされており、労働者の同意を前提として、メンタルヘルス不調者の早期発見を目的とするテストについても、実施することも可能とされています。ただし、「ストレスチェックと同時に行う場合には、ストレスチェックの主な目的が一次予防であることの理解が得られにくくなるおそれがあること、また、その結果について、合理的な理由なく労働者の不利益な取扱いに用いられないようにする必要がある」とされています。

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最後に、ストレスチェック制度では、チェックの結果として高ストレス者と認められたものについては、本人の申出により面接指導が実施されることになっています。

この場合の高ストレス者の選定方法について、報告書案では、「最もリスクの高い者として「心身のストレス反応」に関する項目の評価点の合計が高い者を選定することが適当である」としています。そして、さらにこれに加えて、「「心身のストレス反応」に関する項目の評価点の合計が一定以上であり、かつ「仕事のストレス要因」及び「周囲のサポート」に関する項目の評価点の合計が著しく高い者についても選定することが適当である」とされています。

■関連リンク

第4回ストレスチェック項目等に関する専門検討会 資料(厚生労働省HP)

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