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近年、自転車は、環境負荷の低減、災害時における交通機能の維持、国民の健康維持増進、交通の安全確保、渋滞緩和などの公益増進、交通費削減などに資するものとして、その活用推進が求められているところですが、このたび国土交通省が事業者活動における自転車通勤や業務利用を拡大するための支援策の一つとして、「自転車通勤導入に関する手引き」を策定し、公開しました。

本手引きでは、自転車通勤導入による事業者・従業員双方のメリットや自転車利用の動向、自転車通勤制度導入にあたって検討すべき事項な、社内様式例どがまとめられています。

自転車通勤制度の導入時に検討すべき事項としては次のものがあげられています。

  1. 対象者
  2. 対象とする自転車
  3. 目的外使用の承認
  4. 通勤経路・距離
  5. 公共交通機関との乗り継ぎ
  6. 日によって異なる交通手段の利用
  7. 自転車通勤手当
  8. 安全教育・指導とルール・マナーの遵守
  9. 事故時の対応
  10. 自転車損害賠償責任保険等への加入
  11. ヘルメットの着用
  12. 駐輪場の確保と利用の徹底
  13. 更衣室・シャワー・ロッカールームなど
  14. 申請・承認手続き

なお、自転車であっても、従業員が加害者となって事故が発生すれば、事業者が「使用者責 任」を問われる場合があります。一般的には、次の3つの要件をすべて満たしたとき「使用者責任」が認められると考えられています。

  • 従業員が不法行為責任を負う場合 (故意又は過失によって他人の権利または利益を侵害する行為(民法 709 条))
  • 不法行為当時、使用者と被用者に使用関係がある場合
  • 事業の執行において第三者に損害を与えた場合

本手引きでは、このようなトラブルに巻き込まれることを予防するために、安全管理を徹底するとともに、交通安全教育の実施や自転車の安全点検などを実施することが重要であるとしています。

自転車通勤はこれまで明確なルールを設けていなかったという企業も少なくありません。また、万が一事故が発生すれば貴重な労働力が長期間失われるおそれがあるにもかかわらず、自動車通勤に比べると安全に関しては軽視されてきたといえます。

会社としては、自転車通勤のメリットを生かすためにも、しっかりとしたルール作りが求められるといえるでしょう。

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

「自転車通勤導入に関する手引き」について(国土交通省HP)