新型コロナウイルスの感染拡大により、テレワークを導入する職場が急増していることから、日本労働組合総連合会(連合)が「テレワークに関する調査」を実施し、今年4月以降にテレワークを行った全国の18歳~65歳の男女1,000名の有効サンプルを集計し、結果を公表しました。

第1に、未払い残業代の発生です。調査結果によれば、今年の 4 月以降のテレワーク勤務の際、「残業代支払いの対象となる時間外・休日労働をしたにも関わらず申告しないこと」があったか聞いたところ、『あった』と回答した人の割合は 65.1%となりました。テレワークは様々な要因から残業が発生しやすいといわれていますが、現実に未払い残業が高い割合で発生していることがわかります。

第2に、テレワークで発生する費用に対する勤め先からの補助の状況についてです。テレワークで発生する費用について、勤め先からの「補助はない」と回答した人の割合をみると、「(自宅の)
電気代」は 74.4%、「無線 LAN(Wi-Fi)や携帯電話の回線使用料や通信費用」は 66.3%、「私物の機材を利用している場合の機材の設置・更新に係る費用」は 59.2%、「テレワークする場所の使用料金や機器レンタル料金」は 57.1%、「文房具・宅配等事務費用」は 59.4%と、いずれの費用についても、補助がなく全額自己負担になっているというケースが多数派となりました。もっとも自宅の電気代や無線LAN等の通信費用はテレワークで使った分だけ抜き出して生産するのは難しい部分もあります。このような場合は、テレワーク手当など定額の手当で補助している事例することも考えられます。

最後に家庭環境、特に子どもがいる家庭環境とテレワークについてです。高校生以下の子どもと同居している人(319 名)に、子どもが家にいるときのテレワークに難しさを感じるか聞いたところ、「感じる」は 70.2%にのぼりました。特にまた、小学生以下の子どもの有無別にみると、小学生以下の子どもがいる人の 80.9%が「感じる」と回答しており、小学生以下の子どもがいない人(39.8%)と比べて約 2 倍になりました。このように家庭環境によっては、テレワークが難しくなることも考えられます。小さい子どもがいる場合、子供が寝ている深夜や早朝に仕事をしていたといった報道もみられました。この場合、不払い残業が生じている可能性があり、注意を要します。

このように、テレワークは様々な課題が会社ごとにあるようです。今後の第2波に備えるためには、このようなことについても、改善が求められます。

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参考リンク

テレワークに関する調査2020(連合HP,PDF)