厚生労働省が、平成30年にトラック、バス、タクシーなどの自動車運転者を使用する事業場に対して行った監督指導や送検等の状況について公表しました。近年自動車運転者を使用する事業場は労働基準監督署の重点的な指導が行われています。事業主は、本結果などをふまえて自企業の労働環境の整備を進める必要があります。

それでは、公表された資料をもとに平成30年の監督指導・送検の概要をみていくことにしましょう。

はじめに、平成30年の監督指導の概要です。資料によれば、監督指導を実施した事業場は6,531事業場、このうち、労働基準関係法令違反が認められたのは、5,424事業場(83.1%)、また、改善基準告示※違反が認められたのは、4,006事業場と6割を超えました。

主な労働基準関係法令違反事項は、最も多いのが労働時間で55.5%、ついで割増賃金の支払(21.1%)、休日(4.4%)と続きます。このように、時間外労働に関連する事項で違反が目立つことがわかります。そうすると改善基準告示違反も多いことが予想されます。実際、改善基準告示違反は最大拘束時間が46.4%、総拘束時間が38.8%、休息期間が32.4%となっており、少なくない違反が指摘されていることがわかります。

もっとも、荷待ち時間のように発注者の協力なしでは、労働時間の短縮を図るのが難しいという事情もあります。これに対する国の支援も期待されます。

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参考リンク

自動車運転者を使用する事業場に対する平成30年の監督指導、送検等の状況を公表します(厚労省HP)