image122昨年11月に実施された「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果について取りまとめ、公表しました。

今回の重点監督は、長時間労働削減推進本部の指示の下、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や、若者の「使い捨て」が疑われる事業場など、労働基準関係法令の違反が疑われる事業場に対して集中的に実施したものです。

その結果、約半数にあたる2,304事業場で違法な時間外労働などの労働基準関係法令違反を確認され、それらの事業場に対して、是正・改善に向けた指導が行われました。

資料によれば、重点監督の実施事業場は、4,561 事業場、このうち、3,811事業場(全体の83.6%)で労働基準関係法令違反あったとされています。違反内容のうち最も多いのは、違法な時間外労働(法定休日における労働も含みます)があったもので、2,304 事業場( 50.5 % )でした。

次に多かったのは、賃金不払残業があったもので955 事業場( 20.9 % )で、過重労働による健康障害防止措置が未実施のものは72 事業場( 1.6 % )でした。

また、主な健康障害防止に係る指導の状況 では、過重労働による健康障害防止措置が 不十分なため改善を指導したものが2,535 事業場( 55.6 % )でした。そのうち、時間外労働を月80時間以内に削減するよう指導したものが1,362事業場(53.7%)、労働時間の把握方法が不適正なため指導したものは、1,035 事業場( 22.7 % )でした。

なお、平成25年9月に実施した「過重労働重点監督」では、監督指導を実施した5,111事業場のうち、4,189事業場(全体の82.0%)で労働基準関係法令違反が認められた。

最後に、違反事例についてみてみましょう。

会社は、労働時間を社内システムにより管理しており、実績を確認したところ、月当たりの時間外労働は36協定の上限である約80時間にほぼ統一されていた。不自然に 感じた労働基準監督官がこの点を追求したところ、会社は改ざんを認め、別途作成している作業日報の存在を認めた。これにより、上限時間を大幅に上回る労働時間の実績が確認され、最も長い者で月約280時間の時間外労働が行われていたことが判明した

このように、監督署の調査も掘り下げて行われていることがうかがわれます。

■関連リンク

平成26年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果を公表(厚生労働省HP)

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