今回の記事、ざっくり言うと

  • 厚生労働省の審議会が雇用保険法の改正に向けた報告書の素案を公表
  • 雇用保険料率については、3年間に限り、雇用保険料率を2/1,000 引き下げ、労使の負担軽減を行うべきとされました

汐留クリスマスイルミネーション※画像は記事の内容と関係ありません。

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厚生労働省の審議会が雇用保険法の改正に向けた報告書の素案を公表しました。

そこで、今回は、その中でも重要と思われる内容について、紹介していきたいと思います。

1.基本手当

雇用保険の基本手当の賃金日額の水準については、最低賃金の引上げが図られる一方で、下限額は自動変更により低下してきた結果、下限額が最低賃金を下回る状態となっています。そこで、同様の 状態となった平成23 年と同様、下限額の見直しと併せて上限額等を見直すべき とされました。

また、下限額については、最低賃金との逆転現象が生じないように、自動改定された下限額と最低賃金額(全国加重平均)を元に計算された賃金日額とを 比較し、最低賃金額を元に計算された賃金日額が上回る場合には、これを下限 額とすることとされています。

次に、給付日数については、被保険者であった期間が1年以上5年未満である30 歳以上35 歳未満の特定受給資格者について30日(拡充後 120 日)、35 歳以上45 歳未満については60日(拡充後150 日)、所定給付日数 を拡充すべきとされました。

また、リーマンショックのような雇用情勢の悪化が生じた場合に、雇用情勢が厳し い地域の求職者の再就職を支援するため、特定受給資格者等について 60 日 の所定給付日数の延長が可能となるようにすべきである。

また、雇止めにより離職し、特定理由離職者として位置づけられた有期契約労働者は減少傾向にあるものの、一定程度存在していることを踏まえ、暫定的に5年 間特定受給資格者として扱うこととすべきとされました。

2.育児休業制度

育児休業制度については、先般、労働政策審議会雇用均等分科会において、 育児休業の延長期間として最長2歳との案が示されたところ、その方 向で報告書がとりまとめられた場合には、育児休業給付はこれを踏まえて対処 すべきとされました。

3.雇用保険料

最も注目度が高いのが、今年度引き下げられた雇用保険料率ですが、雇用情勢の改善が進み、3年間に限り、雇用保険料率を2/1,000 引き下げ、労使の負担軽減を行うべきとされました。

参考リンク

第120回労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会資料(厚生労働省HP)

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