今回の記事、ざっくり言うと・・・

  • 厚生労働省の労働政策審議会が経済対策を踏まえた仕事と育児の両立支援について、法改正につながる建議を行った
  • 今回の建議では、1歳6ヶ月に達する後の育児休業について、「保育所に入れない等の場合」に限定すべきとしたうえで、延長の期間としては、最長2歳までと考えられるとされた

@東京ドイツ村
※写真と記事は関係ありません。

厚生労働省の労働政策審議会が経済対策を踏まえた仕事と育児の両立支援について、法改正につながる建議を行いました。厚生労働省では、この建議の内容を踏まえて要綱案を作成し、平成29年通常国会への法案提出を目指すとしています。そこで、今回はその概要をみていきましょう。

1.雇用の継続に特に必要と認められる場合の育児休業期間の延長

今回の建議では、現行育児・介護休業法では育児休業は原則1歳まで、保育所に入れない等の場合は1歳6ヶ月まで認められているところ、1歳6ヶ月に達する後の育児休業について、「保育所に入れない等の場合」に限定すべきとしたうえで、延長の期間としては、最長2歳までと考えられるとされました。

2 能力・モチベーション維持のための対策

国は、特に、①有期契約労働者等のいわゆる非正規雇用労働者や中小企業で働く労働者及び②やむを得ず育児休業期間を延長することになり焦りや不安を感じることが多いであろう労働者を念頭に置いて、本人のニーズに応じて育児休業中や復帰時に活用できる能力開発プログラムの開発や調査研究を行うべきであるとされました。

また、国は、既存の制度の活用など必要な情報を発信すべきとされています。

3.男性の育児休業取得を促進する方策

男性の育児休業取得率が低い現状を踏まえ、育児休業にかかわらず男性が休んで育児をすることを促進していくことが必要であるとして、そのための制度の周知当の施策が提案されています。
以上を俯瞰すると、現時点で具体的に企業に義務として課されると考えられるのは、2歳までの育児休業の延長になりそうです。冒頭で述べたように今後の労政審で法改正に向けてより具体的な要綱が作成されますので、引き続きその経過には注目していきたいと思います。

参考リンク

労働政策審議会建議「経済対策を踏まえた仕事と育児の両立支援について」を公表します(厚生労働省HP)

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