通勤手当の非課税限度額の改正①

令和8年度税制改正による通勤手当の非課税限度額の改正に関するQ&Aが公開されました。そこで、今回はその内容についてみていきましょう。

今回の改正は、通勤のため自動車などの交通用具を使用している給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額について、次の改正が行われたものです(Q1-1のA)。

  • 通勤距離が片道 65 ㎞以上の人の非課税限度額が引き上げられました。
  • 一定の要件を満たす駐車場等を利用し、その料金を負担することを常例とする人の1か月当たりの非課税限度額については、その通勤距離の区分に応じた非課税限度額に1か月当たりのその駐車場等の料金相当額(上限 5,000 円)を加算した金額とすることとされました。

改正後の1か月当たりの非課税限度額は次のとおりです。

なお、通勤距離が片道2㎞未満である人が駐車場等の料金を負担することを常例とする場合であっても、その駐車場等の料金相当額の通勤手当は非課税となりません(Q&A3-4のA)。

ここで、「一定の要件を満たす駐車場等」とは、通勤のために使用する交通用具(自転車、バイク等も含まれます。)の駐車のための施設のうち、①その通勤手当の支払を受ける人の勤務する場所の周辺、②その人が通勤のために利用する交通機関の駅または停留所等の周辺にあるものをいいます(Q1-3のA)。なお、自宅付近の駐車場等はこれに該当しませんので、自宅付近の駐車場等を利用している場合のその駐車場等の料金相当額の通勤手当は非課税となりません(Q2‐4のA)。

「一定の要件を満たす駐車場等」の料金を負担することを常例とする人に支給する通勤手当の非課税限度額は、①通勤距離の区分に応じた非課税限度額(上の表②参照)と、②1か月当たりの駐車場等の料金相当額(上限 5,000 円)の合計額(③)となります。ポイントは次2つです。

  • ①と②の合計額が非課税限度額となること
  • ⓶の駐車場等については「料金相当額」が非課税限度額となること。たとえば、駐車場料金が5,000円未満の場合はその額の分だけ(3,000円の場合は3,000円)が非課税限度額となる

以下の事例も参考にしてください(Q3-1のA)。

(ケースB)片道通勤距離が 50 ㎞で、駐車場等(1 か月当たりの料金 8,000 円)を利用している従業員に対して、通勤距離に応じた通勤手当 28,000 円と駐車場等の料金相当額の通勤手当 8,000 円の合計 36,000 円を支給する場合
① 通勤距離に応じた非課税限度額:32,300 円(片道 45km 以上 55km 未満)
② 1か月当たりの駐車場等の料金相当額:5,000 円(1 か月当たりの料金 8,000 円が 5,000 円を超えるため、5,000 円)
③ 非課税限度額:37,300 円(32,300 円+5,000 円)
⇒ 支給額 36,000 円は非課税限度額 37,300 円を下回るため、支給する通勤手当の全額が非課税となります。

(ケースC)

片道通勤距離が 50 ㎞で、駐車場等(1 か月当たりの料金 4,400 円)を利用している従業員に対して、通勤距離に応じた通勤手当 33,000 円と駐車場等の料金相当額の通勤手当 4,400 円の合計 37,400 円を支給する場合
① 通勤距離に応じた非課税限度額:32,300 円(片道 45km 以上 55km 未満)
② 1か月当たりの駐車場等の料金相当額:4,400 円
③ 非課税限度額:36,700 円(32,300 円+4,400 円)
⇒ 支給額 37,400 円は非課税限度額 36,700 円を超過するため、超過した部分の 700 円が課税となります。

また、電車等の交通機関を利用するほか、自動車等の交通用具を使用することを常例とする人で、「一定の要件を満たす駐車場等」の料金を負担することを常例とする人に支給する通勤手当の非課税限度額は、①1か月当たりの合理的な運賃等の額と、②通勤距離の区分に応じた非課税限度額と、③1か月当たりの駐車場等の料金相当額(上限 5,000 円)の合計額(上限 150,000 円)(④)となります。電車等を利用する場合は150,000円が全体の上限となります。

改正後の通勤手当の非課税限度額は、令和8年4月1日以後に支払われるべき通勤手当について、適用されます。なお、「令和8年4月1日以後に支払われるべき通勤手当」とは、それぞれ次に掲げる日が令和8年4月1日以後のものをいいます(Q1-2のA)。

  1. 契約、慣習等により支給日が定められているものについてはその支給日、その日が定められていないものについてはその支給を受けた日
  2. 給与規程の改訂が既往に遡って実施されたため既往の期間に対応して支払われる新旧通勤手当の差額に相当する通勤手当で、その支給日が定められているものについてはその支給日、その日が定められていないものについてはその改訂の効力が生じた日

なお、上記2に掲げる日が令和8年4月1日以後であっても、同日前に支払われるべき通勤手当の差額として追加支給するものについては、改正後の非課税限度額は適用されません。

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

通勤手当の非課税限度額の改正について(国税庁HP)

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