今回の記事をざっくりいうと・・・

  • 労働者派遣事業関係業務取扱要領が改正
  • 小規模派遣元事業主への暫定的な配慮措置は平成28年9 月30日以降、特定労働者派遣事業者に限定して適用
  • 労働者派遣事業報告書の中のキャリアアップに資する教育訓練の実施状況の報告方法が変更

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労働者派遣事業関係業務取扱要領が改正されました。そこで、以下では、その主な変更点についてみていきましょう。

1.小規模派遣元事業主への暫定的な配慮義務の見直しに伴う改正

小規模派遣元事業主への暫定的な配慮措置について、平成28年9 月30日以降は、経過措置により現在、特定労働者派遣事業を行っ ている者に限定して適用されることになります。

2.告示改正の反映

労働者派遣事業の許可要件における「キャリ アコンサルティング」の定義について、告示改正の内容を反映し、「職業能力開発促進法・・・に規定するキャリアコンサルティングのうち労働者の職業生活の設計に関する相談その他の援助を行うこと」をいうものとされました

3.施行規則改正の反映

労働者派遣契約で定めるべき事項、派遣労働者に明示すべき就業条件等および派遣元管理台帳・派遣先管理台帳に記載することとされている事項として、日雇派遣を行わ ないことが明確な場合は、政令第4条の号番号の記載が不要とされ、これに合わせて様式も変更されました。

4.様式の変更

労働者派遣事業報告書の中のキャリアアップに資する教育訓練の実施状況の報告について、教育訓練の対象となる派遣労働者の数、実施した教育訓練の実施 時間数や受講者数の報告の方法が明確にされました。

 

今回の改正で最も影響が大きいのは1.の資産要件等の緩和措置が、これまで特に制限がなかったものから(旧)特定労働者派遣事業の届出を行った者に限定される点だと思います。元々この緩和措置は、特定労働者派遣事業者のためのものであったところ、法改正が短兵急に行われたために、それまで派遣事業の届出を準備していた会社への配慮のためと言われており、厚生労働省としては本来の姿に戻したというところなのかもしれません。

参考リンク

労働者派遣事業関係業務取扱要領・様式・各種報告書(厚生労働省HP)

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MORI社会保険労務士・行政書士事務所(千葉県千葉市)では、日々生じる従業員に関する問題や労働法に関する疑問、他社事例について、気軽に電話やメールで相談できる「労務相談」業務の依頼を受託しています。もちろん労働者派遣に関するご相談、給与計算(年末調整)、労働・社会保険、就業規則、各種許認可業務等も対応します。