
労働政策審議会対して諮問された「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案要綱」について、同審議会雇用環境・均等分科会において審議が行われた結果、「おおむね妥当」との答申が行われました。
改正法案は、平成31年通常国会に提出される予定です。
法律案要綱のポイントは次の通りです。
1.女性活躍の推進
- 一般事業主行動計画の策定等の義務の対象拡大(常用労働者301人以上から101人以上の事業主に拡大)
- 基準に適合する認定一般事業主の認定
- 女性の職業選択に資する情報の公表(情報公表義務の対象を拡大することとし、あわせて、情報公表に関する勧告に従わなかった場合に企業名公表ができることとする)
2.ハラスメント対策の強化
- 国の講ずべき施策に「職場における労働者の就業環境を害する言動に起因する問題の解決を促進するために必要な施策を充実すること」を規定する
- 事業主に対して、パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置義務(相談体制の整備等)を新設し、あわせて、措置の適切かつ有効な実施を図るための指針の根拠規定を整備する。
- パワーハラスメントに関する労使紛争について、都道府県労働局長による紛争解決援助、紛争調整委員会による調停の対象とするとともに、措置義務等について履行確保のための規定を整備する。
- セクシュアルハラスメント等に起因する問題に関する国、事業主及び労働者の努めるべき事項を明確化する。
- 労働者が事業主にセクシュアルハラスメント等の相談をしたこと等を理由とする事業主による不利益取扱いを禁止する(パワーハラスメント及びいわゆるマタニティハラスメントについても同様の規定を整備)。
3.施行期日
改正法の施行日は、公布日から起算して1年を超えない範囲内で政令で定める日とされていますが、一部で異なります。特に企業への影響が大きいと見込まれるパワハラ防止措置については、中小企業は公布日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日までは努力義務とされます。
もっとも、パワハラが職場環境の悪化に繋がることに鑑みれば、義務化を待たずに対応する必要があることは言うまでもないでしょう。

参考リンク
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案要綱」の諮問及び答申について(厚労省HP)
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