世界の労働基準監督署からVOL019:水戸労働基準監督署

働き方改革関連法による改正労働者派遣法により、派遣元事業主は、①「派遣先均等・均衡方式」(派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇の確保)、②2「労使協定方式」(一定の要件を満たす労使協定による待遇の確保)のいずれかの待遇決定方式により派遣労働者の待遇を確保することとされ、令和2年4月1日に施行されます。

このうち、2「労使協定方式」については、「同種の業務に従事する一般労働者の賃金」と同等以上であることが要件となっており、先日の記事で令和2年度に適用される水準等が公表されたことを取り上げました。

そして先日、この労使協定方式による場合のQ&Aが公表されました。今回は、労使協定の締結に関する内容のポイントを見ていきましょう。

  • 労使協定は施行日(2020 年4月1日)前に締結することは可能
  • 施行日前から締結している労働者派遣契約について、「派遣労働者を協定対象派遣労働者に限 定するか否かの別」などを新たに記載する必要があるが、労働者派遣契約を新たに締結し直すことまでは求められない
  • 数か所の事業所を労使協定の一つの締結単位とすることは可能
  • 労使協定を締結する過数代表者の選出については、例えば、派遣労働者の賃金明細を交付する際や派遣元事業主が派遣先を巡回する際に、労使協定の意義や趣旨を改めて周知するとともに、立候補の呼びかけや投票用紙の配付をしたり、社内のイントラ ネットやメールにより立候補の呼びかけや投票を行わせることが考えられる
  • 既に締結されている「労働協約」をもとにして、労使協定方式とすることについては、形式的には、法第30条の4第1項の労使協定を別途締結する必要があるが、労使協定に定める事項について、労働協約を参照する旨を定めて労使協定として合意することは可能
  • 労使協定には、派遣労働者の賃金の額のほか、その比較対象となる一般賃金の額を記載する必要がある
  • 労使協定には具体的な内容を定めず、就業規則、賃金規程等によることとする旨を定めることは可能
  • 労使協定の有効期間中に、一般賃金の額が変わった場合、労使協定に定める派遣労働者の賃金の額が一般賃金の額と同等以上の額であるか否か確認することが必要(同等以上の額でない場合には、労使協定を締結し直す必要がある)

Q&Aではさらに「基本給・賞与・手当等」、「通勤手当」、「退職金」についても取り上げられていますので、施行までに参照するようにしてください。

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参考リンク

労使協定方式に関するQ&A(厚労省HP、PDF)