改正された高年齢者雇用安定法の施行に伴い、施行規則の改正案が労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会で示されました。今回はその主なものの概要をみていくことにしましょう。

第1に、高年齢者就業確保措置の対象から除外される者として、事業主の雇用する高年齢者のうち、他の事業主との間で締結した法第9条第2項の契約に基づき雇用する者とされました。つまり、継続雇用制度により他の特殊関係事業主に移籍している者は、その移籍元が高年齢者就業確保措置の義務を負うということになります。

第2に、創業支援等措置の実施に関する計画については、事業主が創業支援等措置を講ずる場合において、当該措置の実施に関する計画を作成し、当該計画について過半数労働組合等の同意を得ること、また、当該計画に記
載すべき事項および当該計画を労働者に周知する方法を定めることとされます。ここでは、「同意」が求められている点に留意してください。

第3に、創業支援等措置に関して、「その雇用する高年齢者が希望するときは、当該高年齢者が新たに事業を開始する場合に、事業主が、当該事業を開始する当該高年齢者との間で、当該事業に係る委託契約その他の契約を締結し、当該契約に基づき当該高年齢者の就業を確保する措置」を講じる場合において、「当該高年齢者が新たに事業を開始する場合」とは、高年齢者が定年後または法第9条第1項第2号の継続雇用制度の対象となる年齢の上限に達した後に、新たに法人を設立し、当該法人が新たに事業を開始する場合とされました。

第4に、高年齢者就業確保措置の実施に関する計画については、計画の記載事項、提出の方法および作成勧告の方法について定めるものとされました。ここで、「高年齢者就業確保措置の実施に関する計画」とは、法第 10 条の3第2項の規定に基づき、厚生労働大臣が高年齢者就業確保措置の実施に関する状況が改善していない事業主に対して作成勧告を行うものです。

今後、指針や施行通達などで、さらに詳細な内容が明らかになると思われます。

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参考リンク

第98回労働政策審議会職業安定分科会雇用対策基本問題部会(資料)(厚生労働省HP)