image129滋賀労働局では、労働条件に問題があると考えられる業種について、中長期計画を定め、労働者の労働条件の確保・改善に向けた取組を推進しており、
現在は、平成 25 年度から平成 27 年度までの中長期計画において、小売業と美容業を重点対象業種と定め、その取組を推進すると発表しました。

今回資料として示されたのが 平成 25 年度に実施した監督指導の結果です。

そこでは、まず小売業について、128 事業場に対して監督指導を実施し、85 事業場(66.4%)で、何らかの労働基準関係法令違反が認められました。違反事項として多いものは、次のもので、これらで違反事項全体の約3分の2(63.3%)を占めるとされています。

  1. 違法な時間外労働 34 件(22.7%)
  2. 労働条件の明示がない 32 件(21.3%)
  3. 健康診断の未実施 29 件(19.3%)

なお、1の「違法な時間外労働」とは、 時間外・休日労働に関する労使協定がない、または協定の範囲内を超えて時間外・休日労働を行わせていることをいうものとしています。

次に美容業については、21 事業場に対して監督指導を実施し、17 事業場(81.0%)で、何らかの労働基準関係法令違反が認められました。違反事項としては、次のものが多く、これらで違反事項全体の約4分の3(76.3%)を占めます。

  1. 健康診断の未実施 11 件(28.9%)
  2. 労働条件の明示がない 10 件(26.3%)
  3. 違法な時間外労働 8件(21.1%)

そして、今後の取組みとして、労働条件に問題があると考えられる小売業および美容業の事業場に対して、9月 25 日以降、集中的に監督指導を実施していくとしています。

さて、このように結果をみてみると、順位に若干の違いはあるものの、上位3項目はいずれも同じというところに気づかされます。違いがでるのは、たとえば小売業では、パートタイマーが多くそもそも健康診断が義務付けられる対象労働者が少ないため違反率が低いことや、美容業については営業時間が限られており労働時間が大幅に長時間にわたることが少ないことなどがあると考えられます。

これらの違反の傾向は、全国的にも差がないものと予想されます。第3次産業への監督指導は強化される傾向にありますから、早期のうちに社内で点検してはいかがでしょうか。

■関連リンク

小売業66.4%、美容業81.0%の事業場で、労働基準関係法令違反(滋賀労働局HP,PDF)

 

■お知らせ

合同セミナー「あなたの右腕になる!士業の選び方・使い方セミナー」で講師を務めます。
日時:10月23日 18:00〜20:00
場所:ちよだプラットフォームスクウェア(本館)
費用:1,000円
詳細・お申込はこちらをご確認ください。

MORI社会保険労務士・行政書士事務所では、日々生じる従業員に関する問題やちょっとした労働法に関する疑問、他社事例について、気軽に電話やメールで相談できる「労務相談」業務の依頼を受託しています。もちろん社会保険、給与計算(年末調整)、就業規則、各種許認可業務等も対応します。ぜひお問い合わせください。

toiawase