労働契約のみの場合の年間収入の取扱いに関するQ&A

前回の記事で取り上げた労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いに関する通達(連名通知)に関連して、Q&Aが同日発出されていますので、今回はQ&Aの内容についてみていきましょう。
なお、1と8は省略します。
Q2 労働契約で定められた賃金(注1)から見込まれる年間収入が 130 万円未満(注2)であるとは、具体的にどのような場合か。
A 労働条件通知書等の労働契約の内容が確認できる書類において規定される時給・労働時間・日数等を用いて算出した年間収入の見込額が 130 万円未満(注2)である場合を想定しています。
そのため、当該書類上に明確な規定がなく予め金額を見込み難い時間外労働に対する賃金等は年間収入の見込額には含まないこととなります
今回の見直しにより、労働条件通知書等の時給・労働時間・日数等を用いて算出した年間収入の見込額で130万円未満となるかどうかを判断することになります。なお、本Q&A中の(注)は以下の通りで、他のQ&Aと共通です。
(注1)労働基準法第 11 条に規定される賃金をいい、諸手当及び賞与も含まれる。
(注2)認定対象者が 60 歳以上の者である場合又は概ね厚生年金保険法による障害厚生年金の受給要件に該当する程度の障害者である場合にあっては、180 万円。認定対象者(被保険者の配偶者を除く。)が 19 歳以上 23 歳未満である場合にあっては 150 万円。
19歳以上23歳未満である場合の特例についても確認しておいてください。
Q3 労働契約内容が確認できる書類がない場合、どのように年間収入を判定するのか。
A 労働契約内容が確認できる書類がない場合は、従来どおり、勤務先から発行された収入証明書や課税(非課税)証明書等により年間収入を判定することとなります。
労働契約が確認できる書類がない場合は、「従来通り」の取扱いとなります。
Q4 労働契約に明確な規定がなく労働契約段階では時間外労働の見込みがなかったが、扶養認定時点では経常的に時間外労働が発生している場合は、どのように年間収入を判定するのか。
A 労働契約に明確な規定がなく労働契約段階では時間外労働の見込みがなかったのであれば、扶養認定時点で時間外労働が発生していたとしても、当年度においては一時的な収入変動とみなし、今回の取扱いにより年間収入を判定することとなります。
労働条件通知書と実態が相違するケースに関するQ&Aです。「労働契約段階では時間外労働の見込みがなかったが、扶養認定時点では経常的に時間外労働が発生している場合」は、当年度においては「一時的な収入変動」とみなすとされています(次年度以降はどうなるのでしょうか)。
Q5 認定対象者の「給与収入のみである」旨の申立てはどのように求めるのか。
A 健康保険被扶養者(異動)届の「扶養に関する申立書」欄に認定対象者本人が記載する方法や、健康保険被扶養者(異動)届の添付書類として認定対象者本人が作成した「給与収入のみである」旨の申立書を添付させる方法等により対応を行ってください。
認定対象者の収入が給与のみである旨の申し立ては、「扶養に関する申立書」の欄に記載することで足りるとされています。
Q6 給与収入以外に他の収入(年金収入や事業収入等)がある場合、年間収入はどのように判定するのか。
A 従来どおり勤務先から発行された収入証明書や課税(非課税)証明書等により年間収入を判定することとなります。
今回の通知で示されたのは「給与収入のみである」場合ですので、これに該当しない場合は、従来通りの取扱いとされています。
Q7 被扶養者の認定の適否に係る確認について、どのように実施すべきか。
A 認定年度において被扶養者の認定の適否に係る確認を行う必要はないですが、翌年度以降少なくとも年1回は保険者において被扶養者の認定の適否に係る確認を行い、被扶養者の要件を引き続き満たしていることを確認してください。
なお、被扶養者の認定の適否に係る確認においても、認定時と同様に労働条件通知書等の労働契約内容が確認できる書類を確認することにより実施しますが、労働契約の内容が確認できる書類が存在しない場合には従来どおり勤務先から発行された収入証明書や課税(非課税)証明書等を確認することにより実施します。
また、労働契約内容が確認できる書類により認定の適否の確認を実施する場合においても、実際の年間収入との乖離を確認するために勤務先から発行された収入証明書や課税(非課税)証明書等の提出を求めても差し支えありません。
「被扶養者の認定の適否に係る確認」の場合について、認定時と同様に労働条件通知書等の労働契約内容が確認できる書類を確認することにより実施することとされていますが、労働契約の内容が確認できる書類が存在しない場合には従来どおり勤務先から発行された収入証明書や課税(非課税)証明書等を確認することにより実施するとされています。
Q8 被扶養者の認定後、被扶養者の認定の適否に係る確認において、勤務先から発行された収入証明書や課税(非課税)証明書等により、臨時収入によって結果的に年間収入が 130 万円以上(注2)となっていることが判明した場合は、被扶養者の認定を取り消すのか。
A 被扶養者の認定の適否に係る確認時において、被扶養者の認定段階で見込んでいなかった臨時収入によって結果的に年間収入が 130 万円以上(注2)となった場合であっても、当該臨時収入が社会通念上妥当である範囲に留まる場合には、これを理由として、被扶養者の認定を取り消す必要はありません。
一方で、当該臨時収入により実際の年間収入が社会通念上妥当である範囲を超えて 130 万円(注2)を大きく上回っており、労働契約内容の賃金(注1)を不当に低く記載していたことが判明した場合には、被扶養者に該当しないものとして取り扱って差し支えありません。
なお、当該臨時収入が一時的な収入変動かどうかの確認のために「年収の壁・支援強化パッケージ」における事業主証明の提出を求めても差し支えありません。
Q&A7の「被扶養者の認定の適否に係る確認」において、「被扶養者の認定段階で見込んでいなかった臨時収入」によって、課税(非課税)証明書等により年間収入が130万円以上となっていた場合は、「臨時収入が社会通念上妥当である範囲に留まる」かどうかで判断されます。

参考リンク
労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定における年間収入の取扱いに係るQ&Aについて(厚生労働省HP、PDF)


