医療機関等の賃上げ支援Q&A①
令和7年度 医療機関等における賃上げ・物価上昇に対する支援事業に関するQ&Aが公表されました。そこで、以下では「病院賃上げ支援事業」「診療所等賃上げ支援事業」のうちで重要な設問についてみていくことにしましょう。
14 賃金改善の期間や基準月について教えてください。(●)
答)
○ 本事業は給付金によって賃金改善を行うことを目的としており、令和7年11 月の賃金水準と比較して、令和7年 12 月から令和8年5月までの6か月間について、賃金改善を行った場合に対象となります。
○ そのため、例えば、令和8年1月から3月までの間のみ賃金改善を行う場合等は本事業の対象となりません。
○ また、令和7年 12 月以降の賃金改善については、令和8年3月までに実施する必要があります。
「令和7年12月以降の賃金改善については、令和8年3月までに実施する必要」がある点には留意してください。
15 賃金改善の方法について教えてください。(●)
(答)
○ 本事業の支給額を活用して、令和7年 12 月から令和8年5月までの6か月間について、対象職員の基本給や決まって毎月支払われる手当の引き上げを行うことが原則ですが、賃金表や給与規定等の変更に時間を要する場合は、令和7年 12 月から令和8年3月までの間の最大4か月分の一時金(例:臨時賞与)又は特別手当(例:インフレ手当)を支給する方法でも差し支えありません。
○ また、一時金や特別手当の支払いで賃金改善を行った場合でも、令和8年4月及び5月については基本給の引き上げや毎月支払われる手当の支給を行う必要があります。
○ なお、一時金や特別手当で実施した賃金改善の水準と、これに続く基本給の引き上げや毎月支払われる手当の水準は、全く同じ水準とする必要はありませんが、本事業は賃上げに必要な経費として給付金を支給し、これを確実な賃上げに繋げることを目的としているため、極端な配分はできません。また、4月及び5月に実施した賃金改善の水準と6月1日以降の賃金改善の水準は原則、維持・拡大していただきます
「4月及び5月に実施した賃金改善の水準と6月1日以降の賃金改善の水準は原則、維持・拡大」することが求められていることに留意してください。
(答)
○ 基本給又は決まって毎月支払われる手当の引上げのほか、これらに連動して引きあがる賞与分や時間外手当、法定福利費の事業主負担分の増額分も含まれます。
○ 決まって毎月支払われる手当には、労働と直接的な関係が認められ、労働者の個人的事情とは関係なく支給される手当を含みますが、以下の諸手当は含まれません。
・月ごとに支払われるか否かが変動するような手当
・労働と直接的な関係が薄く、当該労働者の個人的事情により支給される手当(通勤手当、扶養手当等)
○ 恒常的に夜間を含む交替勤務制をとっている職場の職員に支払われる夜勤手当についても、毎月支払われる手当に含めて差し支えありません。
○ 専ら健診部門で勤務する職員等、直接、保険診療に携わっていない職員の賃金改善も、対象医療機関に勤務していれば含めて差し支えありません。
○ 法定福利費等の事業主負担分は、(基本給等+賞与+時間外手当の引き上げ分)×16.5%で簡便に計算することもできます。
○ これらについては、令和7年 12 月~令和8年5月の給与支給時に支払われるものが賃金改善の内容に含まれます。
○ なお、就業規則等で賃金や基本給等の引き上げ分の遡及分を翌月払いとしている場合は、翌月(令和8年1月~6月)に支払われるものを含めることも可能です。
(以下省略)16 賃金改善の対象となるベースアップの内容や支払い方法について教えてください。(●)
この設問は重要な内容が含まれています。
- 賃金改善の方法としては、「本給又は決まって毎月支払われる手当の引上げ」であることが求められます。
- 「法定福利費等の事業主負担分は、(基本給等+賞与+時間外手当の引き上げ分)×16.5%で簡便に計算することもできます」。
- 就業規則等で賃金や基本給等の引き上げ分の遡及分を翌月払いとしている場合、翌月(令和8年1月~6月)に支払われるものを含めることも可能です。
なお、令和7年 12 月から令和8年5月までの間で退職した職員については、基本給や決まって毎月支払われる手当の引き上げ分は令和7年 12 月から退職月までの月数分、一時金や特別手当は令和7年 12 月から退職月まで(遅くとも令和8年3月まで)の月数分は本事業の賃金改善に含まれます(設問26)。

17 時給や日給を引き上げることはベースアップに該当するのでしょうか。(●)
(答)
○ 基本給が時給制の職員についてその時給を引き上げることや、基本給が日給制の職員についてその日給を引き上げることは、ベースアップの引き上げに含まれます。
○ なお、宿日直のみ対応する医師の宿日直手当の引き上げ分は含まれません。
ベースアップには日給や時給の引上げも含まれます。
19 一時金や特別手当の支払について留意点を教えてください。(●)
(答)
○ 一時金や特別手当は、令和7年 12 月から令和8年3月までの最大4か月分を令和8年3月までに支払ったものが賃金改善の内容に含まれます。
○ なお、例えば2月中に3月分までの一時金を支払うことも可能ですが、仮に支給を受けた職員が自己都合で3月に退職した場合、本来、3月分については返還されるべき部分となります。
一方、実際には、個々の事案ごとに、労働基準関係法令に照らして返還を求めることが可能かどうか判断されることになりますので、一時金等の支払方法については、慎重に判断してください。
3月までに、令和7年 12 月から令和8年3月までの最大4か月分を一時金や特別建てで支払ったものは、賃金改善の内容に含まれるとされています。ただし、「支給を受けた職員が自己都合で3月に退職した場合、本来、3月分については返還されるべき部分」となることに留意してください。
21 賃金改善を行ったことを証明する書類(賃金台帳等)について、申請時や実績報告時に添付させる必要はありますか。(◎)
(答)
○ 執行事務の簡素化を図る観点から、申請時や実績報告時の証拠書類の添付は求めておりません。
○ ただし、賃金台帳等の帳簿等の証拠書類については、・・・補助金の額の確定の日(事業の中止又は廃止の承認を受けた場合には、その承認を受けた日)の属する年度の終了後5年間は対象施設側で保管させるようにしてください。
実績報告時の証拠書類の提出は不要とされていますが、5年間の保管を指導する内容です。
23 実施要綱には「原則として、(中略)令和8年6月1日から当該ベースアップの水準を維持又は拡大すること。」とありますが、受診患者数等の影響によって、令和8年6月1日以降の賃金改善の水準が本事業で実施した賃金改善の水準を下回っていた場合、下回る部分は本事業の給付金を返還する必要があるのでしょうか。(●)
(答)
○ ベースアップ評価料の収入は受診患者数等によって変動するものであり、ご質問の場合は本事業の給付金を賃金改善に充てていれば返還は不要です。
令和8年6月1日以降の賃金改善の水準が本事業で実施した賃金改善の水準を下回っていた場合であっても、本事業の給付金を賃金改善に充てていれば返還は不要とされています。



