安衛法の改正法案の概要

労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律案が国会に提出されました。そこで、今回は本法案の概要についてみていくことにしましょう。

本改正案の趣旨は、多様な人材が安全に、かつ安心して働き続けられる職場環境の整備を推進するため、個人事業者等に対する安全衛生対策の推進、職場のメンタルヘルス対策の推進、化学物質による健康障害防止対策等の推進、機械等による労働災害の防止の促進等、高年齢労働者の労働災害防止の推進等の措置を講ずるもので、主な内容は以下の通りです。

  1. 個人事業者等に対する安全衛生対策の推進【労働安全衛生法】
  2. 職場のメンタルヘルス対策の推進【労働安全衛生法】
  3. 化学物質による健康障害防止対策等の推進【労働安全衛生法、作業環境測定法】
  4. 機械等による労働災害の防止の促進等【労働安全衛生法】
  5. 高齢者の労働災害防止の推進【労働安全衛生法】

1では、既存の労働災害防止対策に個人事業者等も取り込み、労働者のみならず個人事業者等による災害の防止を図るため、① 注文者等が講ずべき措置(個人事業者等を含む作業従事者の混在作業による災害防止対策の強化など)を定め、併せてILO第155号条約(職業上の安全及び健康並びに作業環境に関する条約)の履行に必要な整備を行うこと、②個人事業者等自身が講ずべき措置(安全衛生教育の受講等)や業務上災害の報告制度等を定めるものとされています。①の一部は公布日、②の一部は令和9年1月1日、①の一部およびと②の一部は同年4月1日に施行される予定です。

2では、ストレスチェックについて、現在当分の間努力義務となっている労働者数50人未満の事業場についても実施を義務とするものとされました。ただし、50人未満の事業場の負担等に配慮し、施行までの十分な準備期間を確保するとされたため、当面は50人以上の企業が対象となるとみられます。施行日は、公布後3年以内とされていますので、令和11年4月頃になると思われます。

3では、①化学物質の譲渡等実施者による危険性・有害性情報の通知義務違反に罰則を設けること、②化学物質の成分名が営業秘密である場合に、一定の有害性の低い物質に限り、代替化学名等の通知を認めること、③個人ばく露測定について、作業環境測定の一つとして位置付け、作業環境測定士等による適切な実施の担保を図ることとされています。施行日は①は公布後5年以内に政令で定める日、③は令和8年10月1日で、そのほかは令和8年4月1日になる予定です。

4では、①ボイラー、クレーン等に係る製造許可の一部(設計審査)や製造時等検査について、民間の登録機関が実施できる範囲を拡大すること、②登録機関や検査業者の適正な業務実施のため、不正への対処や欠格要件を強化し、検査基準への遵守義務を課すこととされています。施行日は令和8年4月1日の予定です。

5では、高年齢労働者の労働災害防止に必要な措置の実施を事業者の努力義務とし、国が当該措置に関する指針を公表することとされています。施行日は令和8年4月1日の予定です。

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

第217回国会(令和7年常会)提出法律案(厚生労働省HP)

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