東京都のカスハラガイドラインの概要①
今回はガイドラインのうち、「事業者の取組に関する事項」についてみていきましょう。
条例第14条第1項では、事業者は、顧客等からのカスタマー・ハラスメント防止措置として、指針に基づき、必要な体制の整備、カスタマー・ハラスメントを受けた就業者への配慮、カスタマー・ハラスメント防止のための手引の作成その他の措置を講ずるよう努めなければならないとされています。
ガイドラインでは、事業者の措置について次の13項目を挙げています。
- カスタマー・ハラスメント対策の基本方針・基本姿勢の明確化と周知
- カスタマー・ハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化と周知
- 相談窓口の設置
- 適切な相談対応の実施
- 相談者のプライバシー保護に必要な措置を講じて就業者に周知
- 相談を理由とした不利益な取扱いを行ってはならない旨を定め周知
- 現場での初期対応の方法や手順の作成
- 内部手続(報告・相談、指示・助言)の方法や手順の作成
- 事実関係の正確な確認と事案への対応
- 就業者の安全の確保
- 就業者の精神面及び身体面への配慮
- 就業者への教育・研修等
- カスタマー・ハラスメントの再発防止に向けた取組
以下では、これらの概要についてみていくことにしましょう。
1.カスタマー・ハラスメント対策の基本方針・基本姿勢の明確化と周知
カスタマー・ハラスメント対策に関する基本方針や基本姿勢を明確にした上で就業者及び外部に周知することとされています。ガイドラインでは、基本方針に定める要素の例として、次のものを挙げています。
- カスタマー・ハラスメントの内容
- カスタマー・ハラスメントは自社にとって重要な問題である
- カスタマー・ハラスメントを放置しない
- カスタマー・ハラスメントから就業者を守る
- 就業者の人権を尊重する
- 常識の範囲を超えた要求や言動を受けたら、周囲に相談してほしい
- カスタマー・ハラスメントには組織として毅然とした対応をする
2.カスタマー・ハラスメントを行ってはならない旨の方針の明確化と周知
自社の就業者がカスタマー・ハラスメントを行わないとの方針を明確にした上で就業者に周知することとされています。ここでは、対応例として、カスタマー・ハラスメントを行った自社の就業者に対しては、厳正に対処する旨を就業規則等に定め、社内で周知するものとされています。

3.相談窓口の設置
カスタマー・ハラスメントを受けた就業者が相談できる窓口をあらかじめ決めた上で、就業者へ広く周知することとされています。対応のポイントとしては、カスタマー・ハラスメントに関する就業者からの相談に対し、対応可能な窓口をあらかじめ職場内に定めた上で、就業者に対して広く周知することが求められます。
4.適切な相談対応の実施
相談窓口担当者が、就業者から受けた相談内容や状況に応じて、適切に対応できるようにすることとされています。対応のポイントとしては、相談窓口の担当者は、就業者からの相談内容や状況に応じて、カスタマー・ハラスメントが発生した現場の事実確認を行い、顧客等への対応方法の検討・実施、就業者へのフォロー等、事案に即した対応するなど適切に対応できるようにする必要があります。
5.相談者のプライバシー保護に必要な措置を講じて就業者に周知
カスタマー・ハラスメントの相談をする就業者のプライバシーを保護する措置を講じて就業者に周知することとされています。具体的には、相談者やカスタマー・ハラスメントの行為者等のプライバシー保護のために必要な事項をあらかじめ事業者内のマニュアルに定め、相談窓口の担当者が相談を受けた際には、そのマニュアルに基づき対応することや、相談窓口の担当者に必要な研修を行うことなどが考えられます。



