東京都の中小企業対象の賃金調査
東京都が「中小企業の賃金・退職金事情(令和6年版)」を公開しました。
本調査は、企業や労働組合等が賃金制度を検討する場合、同一業種や同一規模の企業の賃金水準等を参考にする際、大企業については、行政機関や民間研究機関等で各種の調査が実施され、調査結果が公表されているものの、企業数の大半を占める中小企業については、必ずしも十分とはいえない状況にかんがみて、従業員が10人~299人の都内中小企業を対象とした賃金についての調査を毎年実施し、取りまとめたものです。
調査の内容は、「賃金」、「賞与・諸手当」、「モデル賃金」、「初任給」等で、「定年制、退職金」と「労働時間、休日・休暇」については、隔年で交互に調査しており、本年は「定年制、退職金」について調査されました。
そこで、今回は賃金・諸手当の支給状況についてみてみることにしましょう。
はじめに、役付手当の支給状況については、支給する企業は66.0%と約3分の2の企業で支給されていました。このうち「同一役職の支給額は同じ」と回答した企業は61.6%、「同一役職でも支給額は異なる」と回答した企業は33.3%でした。「同一役職の支給額は同じ」としている企業の平均支給額は、部長88,678円、課長56,507円、係長30,594円でした。一方、「同一役職でも支給額は異なる」としている企業の平均支給額は、部長105,815円、課長68,541円、係長38,219円でした。
次に、住宅手当については、支給する企業は34.7%でした。支給企業のうち47.2%は住宅の形態に関わりなく一律支給をしており、平均支給額は「扶養家族あり」の場合 17,657 円、「扶養家族なし」の場合16,303円でした。また、支給企業の24.5%は住宅の形態別に支給しており、平均支給額は「扶養家族あり」の場合、賃貸29,484円、持家17,439円、「扶養家族なし」の場合、賃貸24,060円、持家13,048円でした。
次に、家族手当については、支給する企業は42.8%でした。支給企業のうち88.3%は、家族ごとに異なる額を支給しており、平均支給額は配偶者10,356円、第一子5,255円、第二子4,858円、第三子4,859円でした。近年、「年収の壁問題」のため、政府からは配偶者を対象とした家族手当(配偶者手当)をアナウンスしているところですが、このデータをみると金額的には配偶者がメインになっているといえるでしょう。
このように、本調査は、中小企業に特化した賃金制度の世間相場を知るうえで有用な資料です。都外の企業にも参考になるでしょう。
最後に賞与の支給状況についてみると、過去1年間(令和5年7月~令和6年6月)に賞与を支給した企業は84.4%でした。そして、賞与の平均金額は、令和5年の年末一時金が360,604円、令和6年の夏季一時金が379,009円、その他賞与が100,515円で、合計すると840,128円でした。また下図から、年間賞与額は50万円~100万円くらいまでが大半をしめているといえるでしょう。




