都カスハラ条例~会社に求められるGL対応
東京都は、カスタマー・ハラスメント防止条例の規定に基づき、カスタマー・ハラスメントの内容に関する事項、顧客等、就業者及び事業者の責務に関する事項、都の施策に関する事項、事業者の取組に関する事項その他カスタマー・ハラスメントを防止するために必要な事項についてガイドラインを定めました。今回は、このうち事業主の責務に関する部分をみていきましょう。
条例第9条では、顧客等からのカスタマー・ハラスメントを防止するための措置を講ずる必要がある「事業者」が果たすべき責務が明らかにされています。
同条第1項では、条例の基本理念にのっとり、カスタマー・ハラスメントの防止に主体的かつ積極的に取り組むとともに、都が実施するカスタマー・ハラスメント防止施策に協力することを努力義務として定められています。
このうち「主体的かつ積極的」について、ガイドラインでは、カスタマー・ハラスメントを受けた場合、「就業者の意欲の低下等を起因とした職場環境の悪化、職場全体の生産性の低下等につながり得ることで、事業者の事業活動の継続に大きな影響が生じる」ことから、「事業者ごとの状況に合わせた効果的な対策を講じるとともに、就業者がカスタマー・ハラスメントによる被害を受けないよう、積極的な取組が求められる」とされています。
次に、同条第2項では、従業員がカスタマー・ハラスメントを受けた場合には、速やかに就業者の安全を確保するとともに、当該行為を行った顧客等に対し、その中止の申入れその他の必要かつ適切な措置を講ずることを努力義務として定めています。
このうち「就業者の安全を確保」について、指針では、事業者の安全配慮義務を念頭に、「顧客等による暴力行為等によって就業者の安全が脅かされる事態が発生した場合、あらかじめ定めた対応方針に従い、現場監督者等が対応を代わった上で、顧客等から就業者を引き離す、あるいは、弁護士や管轄の警察と連携を取りながら対応するなど、就業者への被害がこれ以上継続しないようにすることが求められる」とされています。
また、「中止の申入れその他の必要かつ適切な措置」について、指針では、カスタマー・ハラスメントが発生した場合、行為者である顧客等に対して、就業者への行為を止めるよう要請するとともに、あらかじめ定めた対応方針に従い、現場監督者等からの退去要請や出入り禁止、商品やサービスの提供停止の通告等の対処を行うことが求められるとされています。
さらに、同条第3項では、事業に関して就業者が顧客等としてカスタマー・ハラスメントを行わないように、必要な措置を講ずることを努力義務として定めています。
このうち、「就業者が顧客等としてカスタマー・ハラスメントを行わない」について、指針では、就業者は、取引先との関係では顧客等であるなど、カスタマー・ハラスメントを行う立場にもなり得る」ことから、「事業に従事する者が、カスタマー・ハラスメントを行わないよう、カスタマー・ハラスメント防止に関する啓発や教育等を行っていくことが求められる」とされています。 また、賛助雇用機会均等法11第3項の規定の趣旨を踏まえ、就業者の行為に関連して取引先の事業者から「第5 事業者の取組に関する事項」の実施に関し必要な協力を求められた場合には、これに応ずることが求められるとされています。
なお、事業者と就業者との間で雇用関係がない場合(例:派遣労働者、無償ボランティア、インターンシップ生、フランチャイズ加盟店の経営者・従業員など)であっても、その就業者は事業者の事業に関連した業務に従事していることから、雇用関係がある就業者と同様に取り扱うことが必要とされています。



