年金法改正の概要②
6月13日に成立した「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」では、遺族年金についても大きな改正が行われます。
遺族年金は「亡くなった方」が保険料納付などの要件を満たしていれば、その遺族が受け取ることができます。
遺族厚生年金は、死亡日に次のいずれかに該当する場合に支給されます(ほかに、遺族の範囲にも要件があります)。
- 現役会社員が死亡した(※)
- 病気·けがで会社を退職後5年以内に死亡した(※)
- 障害等級1級·2級の障害厚生年金を受給していた
- 保険料を納付·免除した期間等が合計25年以上ある
遺族年金の年金額の例(第2号被保険者の場合)は次の通りです。

上の例では「こども」がいる場合ですが、「こども」がいない場合の遺族厚生年金は次のような取扱いとなっていました。
- 女性
- 30歳未満で死別→5年間の有期年金
- 30歳以上で死別→無期給付
- 男性
- 55歳未満で死別→給付なし
- 55歳以上で死別→60歳から無期給付
この取扱いが法改正後は、男女共通となり、60歳未満で死別した場合は原則5年の有期給付となります。一方、有期給付の年収要件(年収850万円未満)を廃止し、年金額については約1.3倍に増額されます(有期給付加算・死亡分割)。
また、18歳年度末までのこどもがいる場合、こどもが18歳年度末になるまでは現行制度と同じであり、見直しの影響はなく、こどもが18歳になった後は、さらに5年間は増額された有期給付+継続給付の対象となります。遺族基礎年金の「こどもがいる場合の加算額」も増額(年間約23.5万円→28万円)となります。
一方、配慮が必要な場合は、5年目以降も給付を継続するとされています。具体的には、5年有期給付の終了後も、①障害状態にある方(障害年金受給権者)、②収入が十分でない方は、引き続き増額された遺族厚生年金を受給することができるものとされています。そして、収入が、単身の場合で就労収入で月額約10万円(年間122万円(※))以下の方は継続給付が全額支給され、以降は収入が増加するにつれて収入と年金の合計額が緩やかに増加するよう年金額が調整されます。最終的には、遺族厚生年金の年金額にもよりますが、おおむね月収20万円から30万円を超えると継続給付は終了します。
60歳以上で死別した場合は、現行通り無期給付となります。
改正法の施行は2028年4月に施行される見込みです。なお、以下1~4に該当する方は、今回の見直しによって受ける影響はありません。
- 既に遺族厚生年金を受給している人
- 60歳以降に遺族厚生年金の受給権が発生する人
- 18歳年度末までのこどもを養育する間にある人の給付内容
- 2028年度に40歳以上になる女性



