カスタマーハラスメント対策を義務付ける法改正の概要
労働施策総合推進法の改正法が6月11日に公布され、その概要が都道府県労働局長あての通達が発出されました。そこで、今回は労働施策総合推進法の改正内容のうち会社の実務に関する部分をみていきましょう。
第1に、治療と就業の両立支援対策として、事業主は、疾病、負傷その他の理由により治療を受ける労働者について、就業によって疾病・負傷の症状が増悪すること等を防止し、その治療と就業との両立を支援するため、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならないものとされました。この措置に関して、厚生労働省大臣は、指針を定め、公表するものとされています。
第2に、職場における顧客等の言動に起因する問題に関して事業主が講ずべき措置等について、事業主は、職場において行われる顧客、取引の相手方、施設の利用者その他の当該事業主の行う事業に関係を有する者の言動であって、その雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたものにより当該労働者の就業環境が害されること(カスタマーハラスメント)のないよう、その労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備、労働者の就業環境を害する当該顧客等言動への対応の実効性を確保するために必要なその抑止のための措置その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならないものとされました。
事業主は、労働者がカスタマーハラスメントに関する相談を行ったことまたは事業主によるカスタマーハラスメントに関する相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いが禁止されます。
また、事業主は、他の事業主から当該他の事業主が講ずるカスタマーハラスメント関する措置の実施に関し必要な協力を求められた場合には、これに応ずること、カスタマーハラスメントに対する従業員の関心と理解を深めるとともに、従業員が他の会社の従業員に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施その他の必要な配慮をするほか、国の講ずる措置に協力することなどが努力義務とされています。
この改正は公布日2025年6月11日から1年6カ月以内の政令で定める日とされています。そうすると、遅くとも2026年10月1日には施行されることが見込まれます。
次に男女雇用機会均等法に関する内容をみてみましょう。
事業主は、求職者等による求職活動等において行われる事業主が雇用する従業員による性的な言動により当該求職者等の求職活動等が阻害されることのないよう、当該求職者等からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならないものとされました。本改正は、公布日2025年6月11日から1年6カ月以内の政令で定める日とされています。
最後に、女性活躍推進法の改正についても見ておきましょう。
一般事業主(常時雇用労働者数が100人を超えるものに限る。)が、女性の職業選択に資するよう、その事業における女性の職業生活における活躍に関して定期的に公表すべき情報に、①男女の賃金の額の差異および②管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合加えるものとされました。
本改正は2026年4月1日から施行されます。

参考リンク
令和7年の労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)等の一部改正について(厚生労働省HP)



