有料職業紹介事業に関する規制改革の方向性

第383回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会で、「規制改革実施計画」について報告されました。その内容は以下の3点です。
① 職業紹介責任者の専任規制
有料職業紹介事業者に対して、事業所ごとかつ専属の職業紹介責任者を選任する義務を課しています。しかし、この義務が職業紹介事業者の柔軟な人員配置や地方を含む新たな事業所の開設等の障壁となっているとの指摘を踏まえ、デジタル技術を徹底活用すること等により、一定の要件を満たす場合には、職業紹介責任者に複数事業所を兼任させることを可能とする方向で見直しを検討することとされました。実施時期は令和7年度末までに結論を得るとされています。
② 有料職業紹介事業における取扱職種等事項の明示に関する事務負担軽減
求人者・求職者への確認が確実に行われることを前提として、有料職業紹介事業者が、求人の申込みまたは求職の申込みを受理した後に求人者および求職者に対して取扱職種の範囲等、手数料に関する事項、苦情の処理に関する事項その他所定の事項を明示する際に、電子メール等の方法が一層活用されるよう、取扱職種等事項の明示手段に係る求人者および求職者の希望の確認方法を明確にする観点から、例えば、オンライン(アプリの利用を含む。)で職業紹介サービスの利用の申込みをする求人者および求職者に対しては、必ずしも申込み後の確認を要さず、申込みと併せて説明手段の希望を把握することが可能である旨等について、具体例を交えて解釈を明確化した上で、広く周知することとされました。実施時期は令和7年度中に措置されるものとされています。
③ 職業紹介事業及び労働者派遣事業の事業報告に係る事務負担の軽減等
厚生労働省は、以下①及び②の事業報告書について、その提出に際して職業紹介事業者および派遣元事業主が直面する課題等の実態を把握した上で、本社等で全事業所に関する情報の集中的な処理を行って一括提出することを可能とすることや、取扱業務が多岐にわたる職業紹介事業者であってもe―Govを利用したオンライン提出を可能とすること等、職業紹介事業者及び派遣元事業主が事業報告書を提出する際の負担軽減策を検討し、令和7年度中に結論を得次第、速やかに必要な措置を講ずるとされました。
- 職業紹介事業者が提出する事業報告書
- 派遣元事業主が提出する事業報告書
もっとも、上記3点によってただちに事業拡大がしやすくなるとか事務負担が大きく改善されるということはないと思われます。


