熱中症防止ガイドラインが公表
厚生労働省の「職場における熱中症防止対策に係る検討会」が「職場における熱中症防止対策のための検討会 報告書 ~令和8年夏に向けて~」を取りまとめ、「職場における熱中症防止のためのガイドライン」を策定しました。
この報告書は、近年、職場における熱中症については、休業4日以上の死傷者数が増加傾向にあることから、予防策について検討を行い、取りまとめたものです。
報告書では、発災事業場においては、改正省令に基づく措置が行われていない傾向があり、引き続き改正省令に基づく措置の徹底を図る必要があることを確認したうえで、熱中症の罹患リスクそのものを低下させることが求められるとされました。そして、熱中症予防については、業種・業態により作業内容や作業場所による制約条件などが異なり、対策の実施にあたっての留意点も様々なものがある中、一律による対策を示すのではなく、複数のオプションの中から、事業者がその業種・業態に応じて適切な対策を選択できるよう、包括的に熱中症防止対策をまとめたガイドラインを策定することが有効であるとされました。
また、熱中症対策機器の補助は、60 歳以上の高年齢労働者を対象に行われていますが、休業4日以上の死傷者は、60 歳未満の者が7割以上にのぼることから、予防策をより充実させるため、対象年齢の制限の廃止等について検討することが必要とされました。また、ファン付き作業服についてはその性能の評価が必要という意見があったこと、ウェアラブルデバイスについては計測精度に意見があったことから、その実態を検討し、適切な対応を取る必要があるとされました。
ガイドラインでは、事業者は、湿球黒球温度の値(WBGT 値)の把握などにより熱中症リスクを把握・評価し、熱中症リスクの評価結果に基づき実施することが適切な対策を実施することが考えられるとされました。
熱中症リスクに応じた措置としては次のものが挙げられています。
- 労働衛生管理体制の確立等
- 各種管理者等の選任と役割
- 作業手順・作業計画の策定
- 報告体制の整備及び手順等の作成並びに周知
- 作業環境管理
- WBGT 値の低減
- 休憩場所の整備等
- 作業管理
- 作業時間の短縮等
- 暑熱順化
- プレクーリング
- プレクーリングとは、作業開始前にあらかじめ深部体温を下げ、作業中の体温上昇を抑えるることをいい、体表面から冷却する方法と、冷水やアイススラリー(流動性の氷状飲料)などを摂取して体内から冷却する方法があります。
- 水分及び塩分の摂取
- 多量の発汗を伴う作業場では、塩及び飲料水を備え付けることが義務付けられており、当該作業場では、飲料水、スポーツドリンク、経口補水液、塩飴等を備え付けなければならないこととされています。
- 服装による身体冷却
- 透湿性および通気性の良い服装を着用させるとともに、直射日光下における作業が予定されている場合には、通気性の良い帽子、ヘルメット等を準備することとされています。
- 作業中の巡視
- 業種・作業別の対応例
- たとえば、建設業では太陽の位置を考慮して日陰となる場所で作業を行う、早朝から作業を行い、早帰りとするなどにより直射日光下での作業時間を短縮することなどが考えられます。
- 健康管理
- 健康診断結果に基づく対応
- 定期健康診断の項目には、熱中症の発症に影響を与えるおそれのある疾病と密接に関係した血糖検査、尿検査、血圧の測定、既往歴の調査等が含まれているので、異常の所見があると診断された場合には、医師の意見を聞き、適切に対応することが求められます。
- 日常の健康管理等
- 作業従事者の健康状態及び暑熱順化の状況等の確認
- 健康診断結果に基づく対応
- 労働衛生教育
- 異常時の措置




