R6賃金不払が疑われる事業場への指導結果
厚生労働省が「令和6年に賃金不払が疑われる事業場」に対して労働基準監督署が実施した監督指導(立入調査)の結果を公表しました。
令和6年に全国の労働基準監督署で取り扱った賃金不払事案の件数は22,354件(前年比 1,005件増)、対象労働者数は185,197人(同 3,294人増)で、金額は172億1,113万円(同70億1,760万円増)でした。
そのうえで、令和6年中に、労働基準監督署の指導により使用者が賃 金を支払い、解決された件数は21,495件(96.2%)、対象労働者数は181,177 人(97.8%)、金額は162億732万円 (94.2%)でした。
業種別でみると、数の通り「商業」が最も多く、全体の20%に上りました。

一方、金額では「運輸交通業」が全体の4割に上りました。つまり、運輸交通業は件数としては少ないものの、1社あたりの未払い賃金の額は多額にのぼるということがいえます。たとえば運輸交通業の支払金額70.2億円を件数の1,338で割ると、1件あたり約525万円になりました。これは件数が最も多い「商業」が約31万円であるのと大きな違いといえます。

是正事例では、①割増賃金の基礎として算入すべき賃金(職能手当等)を除外して割増賃金が計算さ
れていたこと、②1週間について40時間を超える時間外労働に対する割増賃金が支払われていなかっ
たこと、③タイムカードで出退勤時刻を把握する一方、時間外労働に対する割増賃金(残業代)は労働者の自己申告制に基づいて支払われており、タイムカードの記録と比べて自己申告された時間外労働時間が大幅に少ない労働者が複数認められたことから、それぞれについて指導を行った事案が紹介されていました。
3点とも、典型的な残業代計算の支給漏れの例です。自社でもこの事案のような取り扱いがないか、これを機会に確認してみてください。



