同一労働同一賃金ガイドライン見直し案③

ここからは「各種手当」について、新しく追加された項目を中心にみていくことにしましょう。手当については、これまでの最高裁判例を踏まえて「住宅手当」「家族手当」が追加されるほか、「無事故手当」についても新設される見込みです。

(7) 無事故手当
通常の労働者と業務の内容が同一の短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の無事故手当を支給しなければならない。

無事故手当については、ハマキョウレックス事件を踏まえ、業務が同じである場合には、支給が求められることが追記されました。運送業でみられる手当ですが、形骸化しているケースも少なくないのではないでしょうか。支給している場合は確認する必要があります。

(9)家族手当
労働契約の更新を繰り返している等、相応に継続的な勤務が見込まれる短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の家族手当を支給しなければならない。
(問題とならない例)
A社においては、通常の労働者であるXに対しては家族手当を支給しているが、労働契約の更新を繰り返していない等、相応に継続的な勤務が見込まれない有期雇用労働者であるYに対しては、家族手当を支給していない。
(問題となる例)
A社においては、通常の労働者であるXに対しては家族手当を支給しているが、労働契約の更新を繰り返している等、相応に継続的な勤務が見込まれる有期雇用労働者であるYに対しては、家族手当を支給していない。
(注)
配偶者の収入要件があるいわゆる「配偶者手当」については、特に女性の短時間労働者の就業調整の要因となっていると指摘されていることから、各事業主において、労使の話合いによって、働き方に中立的な制度となるよう見直しを進めることが望まれる。

日本郵便(大阪)事件最高裁判決を踏まえて追記されたものとされています。そのため「相応に継続的な勤務が見込まれる」かどうかがポイントになっています。導入している企業が多い手当にもかかわらずガイドライン制定当時には記載がなかった家族手当ですが、今回追記されることになりました。

(10) 住宅手当であって、転居を伴う配置の変更の有無に応じて支給されるもの
住宅手当であって、転居を伴う配置の変更の有無に応じて支給されるものについて、通常の労働者と同一の転居を伴う配置の変更がある短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の住宅手当を支給しなければならない。
(問題とならない例)
A社においては、転居を伴う配置の変更が見込まれる通常の労働者であるXには住宅手当を支給している。一方で、有期雇用労働者であるYには転居を伴う配置の変更が見込まれないため、住宅手当を支給していない。
(問題となる例)
A社においては、転居を伴う配置の変更が見込まれることを理由として、通常の労働者であるXに対し、住宅手当を支給しており、当該変更が見込まれないことを理由として、有期雇用労働者であるYには住宅手当を支給していないが、A社では実態として通常の労働者に対しても、転居を伴う配置の変更を命じていない。
(注)
住宅手当であって、転居を伴う配置の変更の有無にかかわらず支給されるものについても、職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならないことに留意すべきである。

ハマキョウレックス事件最高裁判決を踏まえて追記されたものとされています。ここでは「典拠を伴う配置の変更務がある」かどうかがポイントになっています。「問題となる例」では、転居を伴う配置の変更が見込まれることを理由に住宅手当を支給していたとしても、「実態として・・・転居を伴う配置の変更を命じていない」場合を挙げている点に留意が必要です。

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

第28回労働政策審議会 職業安定分科会 雇用環境・均等分科会 同一労働同一賃金部会(厚生労働省HP)

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