技能実習制度および特定技能制度をめぐる状況に鑑み、就労を通じた人材育成及び人材確保を目的とする新たな在留資格として「育成就労」の在留資格を創設し、育成就労計画の認定および監理支援を行おうとする者の許可の制度ならびにこれらに関する事務を行う外国人育成就労機構を設けるほか、1号特定技能外国人支援に係る委託の制限、永住許可の要件の明確化等の措置を講ずるための入管法の改正案が現在国会で審議されています。そこで、今回は、「育成就労」の概要について、出入国在留管理庁の資料を基にみていくことにしましょう。

今回の改正では、外国人技能実習制度を廃止し、法律名を「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律」(育成就労法)に改めるとされました。育成就労制度は、「育成就労産業分野」において、特定技能1号水準の技能を有する人材を育成するとともに、当該分野における人材を確保することを目的とするものと位置づけられています。

法務省が作成した見直し後のイメージは以下の通りでs。

そして、政府は基本方針および分野別運用方針を定めるものとし、分野別運用方針において、各分野の受入れ見込数を設定するものとされています。

育成就労計画の認定制度については、育成就労の期間が3年以内(省令で定める相当の理由(試験不合格)がある場合は、最大で1年の延長可)であること、業務、技能、日本語能力その他の目標や内容、受入れ機関の体制、外国人が送出機関に支払った費用額等が基準に適合していることといった要件を設けるとされました。

また、現在の技能実習制度で批判されている転籍制限については、転籍先において新たな育成就労計画の認定を受けるものとし、当該認定は、①やむを得ない事情がある場合や、②同一業務区分内であること、就労期間(1~2年の範囲で業務の内容等を勘案して主務省令で規定)・技能等の水準・転籍先の適正性に係る一定の要件を満たす場合に本人意向の転籍を行うことができるものとされています。

監理団体に代わる「監理支援機関」については、外部監査人の設置を許可要件とし、監理支援機関は、受入れ機関と密接な関係を有する役職員を当該受入れ機関に対する業務に関わらせてはならないものとされます。

外国人技能実習機構については、これに代わる機関として「外国人育成就労機構」を設立し、育成就労外国人の転籍支援や、1号特定技能外国人に対する相談援助業務を追加するものとされました。

お問い合わせはお気軽に。043-245-2288

参考リンク

技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議(出入国在留管理庁HP)